消費者問題・消費者保護に関する次のア~オの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。
ア.不当な表示による顧客の誘引を防止するため、不当な表示を行った事業者に対する課徴金制度が導入され、被害回復を促進するため、顧客への返金による課徴金額の減額等の措置も講じられている。
イ.クレジットカードの国内発行枚数は、10億枚を超えており、無計画なクレジット利用から自己破産に陥る人数は、今世紀に入り毎年増加し続け、年100万人を超えている。
ウ.自動車のリコールとは、欠陥車が発見された場合、消費者庁が回収し自動車メーカーが無料で修理する制度のことをいう。
エ.全国規模のNPO法人である国民生活センターは、国民生活に関する情報の提供および調査研究を行うことはできるが、個別の消費者紛争の解決に直接的に関与することはできない。
オ.地方公共団体の消費生活センターは、消費生活全般に関する苦情や問合せなど、消費者からの相談を受け付け、専門の相談員が対応している。
- ア・イ
- ア・オ
- イ・ウ
- ウ・エ
- エ・オ
【解説】
ア.不当な表示による顧客の誘引を防止するため、不当な表示を行った事業者に対する課徴金制度が導入され、被害回復を促進するため、顧客への返金による課徴金額の減額等の措置も講じられている。
ア・・・妥当
「不当景品類及び不当表示防止法」において、不当表示を禁止するルールがあります(5条)。
これに違反すると、課徴金納付命令が下されます(8条)
そして、内閣総理大臣は、被害回復を促進するため(顧客への返金措置を促進するため)、返金額に応じて、課徴金額の減額措置を行います(11条2項)。
「不当景品類及び不当表示防止法」において、不当表示を禁止するルールがあります(5条)。
これに違反すると、課徴金納付命令が下されます(8条)
そして、内閣総理大臣は、被害回復を促進するため(顧客への返金措置を促進するため)、返金額に応じて、課徴金額の減額措置を行います(11条2項)。
イ.クレジットカードの国内発行枚数は、10億枚を超えており、無計画なクレジット利用から自己破産に陥る人数は、今世紀に入り毎年増加し続け、年100万人を超えている。
イ・・・妥当ではない
一般社団法人日本クレジット協会によると、クレジットカードの国内発行枚数は、令和4年(2022年)3月末時点で、約3億1000万枚です。
したがって、10億枚は超えていません。司法統計によると、自己破産の件数は、近年、約6~7万件であり、年100万人を超えていません。
一般社団法人日本クレジット協会によると、クレジットカードの国内発行枚数は、令和4年(2022年)3月末時点で、約3億1000万枚です。
したがって、10億枚は超えていません。司法統計によると、自己破産の件数は、近年、約6~7万件であり、年100万人を超えていません。
ウ.自動車のリコールとは、欠陥車が発見された場合、消費者庁が回収し自動車メーカーが無料で修理する制度のことをいう。
ウ・・・妥当ではない
国土交通省によると、
リコールとは、設計・製造過程に問題があったために、自動車メーカーが自らの判断により、国土交通大臣に事前届出を行った上で回収・修理を行い、事故・トラブルを未然に防止する制度です。
つまり、欠陥車を回収するのは、「自動車メーカー」であり、消費者庁ではありません。
国土交通省によると、
リコールとは、設計・製造過程に問題があったために、自動車メーカーが自らの判断により、国土交通大臣に事前届出を行った上で回収・修理を行い、事故・トラブルを未然に防止する制度です。
つまり、欠陥車を回収するのは、「自動車メーカー」であり、消費者庁ではありません。
エ.全国規模のNPO法人である国民生活センターは、国民生活に関する情報の提供および調査研究を行うことはできるが、個別の消費者紛争の解決に直接的に関与することはできない。
エ・・・妥当ではない
国民生活センターは、国民生活の安定及び向上に寄与するため、総合的見地から、国民生活に関する情報の提供及び調査研究を行うとともに、重要消費者紛争について法による解決のための手続を実施します。
したがって、国民生活センターは、消費者紛争に関与することもできるので本肢は妥当ではありません。
国民生活センターは、国民生活の安定及び向上に寄与するため、総合的見地から、国民生活に関する情報の提供及び調査研究を行うとともに、重要消費者紛争について法による解決のための手続を実施します。
したがって、国民生活センターは、消費者紛争に関与することもできるので本肢は妥当ではありません。
オ.地方公共団体の消費生活センターは、消費生活全般に関する苦情や問合せなど、消費者からの相談を受け付け、専門の相談員が対応している。
オ・・・妥当
消費生活センターは、地方公共団体が運営する消費者のための相談業務を行う機関であり、悪質商法による被害や商品事故の苦情などの消費生活に関する相談に専門の相談員が応じ、相談内容により問題解決のための助言や各種情報の提供を行います。
したがって、本肢は妥当です。
消費生活センターは、地方公共団体が運営する消費者のための相談業務を行う機関であり、悪質商法による被害や商品事故の苦情などの消費生活に関する相談に専門の相談員が応じ、相談内容により問題解決のための助言や各種情報の提供を行います。
したがって、本肢は妥当です。
平成29年度(2017年度)|行政書士試験の問題と解説
問1 | 基礎法学 | 問31 | 民法:物権 |
---|---|---|---|
問2 | 基礎法学 | 問32 | 民法:債権 |
問3 | 人権 | 問33 | 民法:債権 |
問4 | 経済的自由 | 問34 | 民法:債権 |
問5 | 内閣 | 問35 | 民法:親族 |
問6 | 財政 | 問36 | 商法 |
問7 | 憲法の概念 | 問37 | 会社法 |
問8 | 取消しと撤回 | 問38 | 会社法 |
問9 | 無効な行政行為 | 問39 | 会社法 |
問10 | 執行罰 | 問40 | 会社法 |
問11 | 行政手続法 | 問41 | 憲法 |
問12 | 行政手続法 | 問42 | 行政法 |
問13 | 行政手続法 | 問43 | 行政法 |
問14 | 行政不服審査法 | 問44 | 行政法・40字 |
問15 | 行政不服審査法 | 問45 | 民法・40字 |
問16 | 行政不服審査法 | 問46 | 民法・40字 |
問17 | 行政事件訴訟法 | 問47 | 基礎知識・政治 |
問18 | 行政事件訴訟法 | 問48 | 基礎知識・社会 |
問19 | 行政事件訴訟法 | 問49 | 基礎知識・政治 |
問20 | 国家賠償法 | 問50 | 基礎知識・経済 |
問21 | 国家賠償法 | 問51 | 基礎知識・社会 |
問22 | 地方自治法 | 問52 | 基礎知識・社会 |
問23 | 地方自治法 | 問53 | 基礎知識・社会 |
問24 | 地方自治法 | 問54 | 基礎知識・情報通信 |
問25 | 行政法の判例 | 問55 | 基礎知識・その他 |
問26 | 行政不服審査法 | 問56 | 基礎知識・情報通信 |
問27 | 民法:総則 | 問57 | 基礎知識・個人情報保護 |
問28 | 民法:総則 | 問58 | 著作権の関係上省略 |
問29 | 民法:物権 | 問59 | 著作権の関係上省略 |
問30 | 民法:総則 | 問60 | 著作権の関係上省略 |