令和7年度の行政書士試験対策の個別指導開講

令和6年・2024|問46|民法・40字

Aは、Bとの間で、BがCから購入した甲土地(以下「甲」という)を買い受ける契約を締結し、Bに対して代金全額を支払ったが、甲の登記名義はいまだCのままである。BC間の売買において、CがBへの移転登記を拒む理由は存在せず、また、BがCに対して移転登記手続をすべきことを請求している事実もない。一方、Aは、早期に甲の所有権取得の対抗要件として登記を具備したい。 このような場合、Aは、何のために、誰の誰に対するいかなる権利を、どのように行使できるか。40字程度で記述しなさい。

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【答え】:Aは、移転登記請求権を保全するために、BのCに対する移転登記請求権を代位行使できる。(42字)
Aは、登記請求権を保全するため、BのCに対する登記請求権を代位行使できる。(42字)


【解説】

<問題の概要>

  • AはBから甲土地を買い受け、代金も全額支払済み。
  • しかし、甲の登記名義はCのままで、Bへの登記も未了。
  • Cは登記を拒む理由なし。
  • BはCに登記を請求していない。
  • Aは早く自分の登記を得たいが、その前提として、まずC→Bの登記が必要。

<1. Aの立場と目的>

AはBから土地を買ったが、登記がないため第三者に対抗できません。
Aが自らの登記を得るには、次の2段階が必要です。

  1. C → Bの登記
  2. B → Aの登記

しかし現在、BがCに対して登記請求をしていないため、Aが自分の登記を得るためにはまずC→Bの登記が必要です。

<2. 法的手段:債権者代位権(特則)>

このような場合、Aは、BのCに対する登記請求権を代わりに行使することができます。

民法423条の7
登記または登録をしなければ権利の得喪・変更を第三者に対抗できない財産を譲り受けた者は、
譲渡人が第三者に対して有する登記請求権を行使しないときは、
登記請求権を代位行使できる。

この条文は、債権者代位権の特則で、通常の代位要件(無資力など)を不要としています。
つまり、Aは自己の権利保全(登記による対抗要件の取得)のために、BのCに対する登記請求権を代位して行使できます。

<3. 行使の方法>

AがCに対して、Bの立場に立って「甲土地をB名義に登記せよ」と請求することができます(代位登記請求訴訟など)。

この請求が認められれば、まずC→Bの登記が実現し、その後、B→Aの登記をすることで、Aが第三者に対して自己の権利を主張できるようになります。

<まとめると>

  • Aの目的は、「自己の登記を実現」すること(=登記請求権の保全)。
  • 手段は、「BのCに対する登記請求権」を「代位行使」すること。

よって、Aは、移転登記請求権を保全するために、BのCに対する移転登記請求権を代位行使できる。(42字)


令和6年(2024年)過去問

問1 基礎法学 問31 民法
問2 基礎法学 問32 民法
問3 憲法 問33 民法
問4 憲法 問34 民法
問5 憲法 問35 民法
問6 憲法 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 多肢選択
問12 行政手続法 問42 多肢選択
問13 行政手続法 問43 多肢選択
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行服法・行訴法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識
問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識
問20 国家賠償法 問50 基礎知識
問21 国家賠償法 問51 基礎知識
問22 地方自治法 問52 行政書士法
問23 地方自治法 問53 住民基本台帳法
問24 地方自治法 問54 基礎知識
問25 行政法 問55 基礎知識
問26 公文書管理法 問56 基礎知識
問27 民法 問57 個人情報保護法
問28 民法 問58 著作権の関係上省略
問29 民法 問59 著作権の関係上省略
問30 民法 問60 著作権の関係上省略

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