令和7年度の行政書士試験対策の個別指導開講

令和6年・2024|問33|民法

組合に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし、正しいものはどれか。

  1. 組合の業務の決定は、組合契約の定めるところにより、一人または数人の組合員に委任することができるが、第三者に委任することはできない。
  2. 組合の業務の執行は、組合契約の定めるところにより、一人または数人の組合員に委任することができるが、第三者に委任することはできない。
  3. 各組合員の出資その他の組合財産は、総組合員の共有に属し、各組合員は、いつでも組合財産の分割を請求することができる。
  4. 組合契約で組合の存続期間を定めた場合であるか、これを定めなかった場合であるかを問わず、各組合員は、いつでも脱退することができる。
  5. 組合契約の定めるところにより一人または数人の組合員に業務の決定および執行を委任した場合、その組合員は、正当な事由があるときに限り、他の組合員の一致によって解任することができる。

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【答え】:5
【解説】
1.組合の業務の決定は、組合契約の定めるところにより、一人または数人の組合員に委任することができるが、第三者に委任することはできない。

1・・・誤り

民法670条2項では、組合の業務の「決定」および「執行」は、組合契約の定めにより、一人または数人の組合員に限らず、第三者にも委任することができると定められています。
したがって、組合の業務の決定を第三者に委任することも可能です。

✅ つまり、組合の業務を誰に任せられるかは「組合契約次第」。組合員だけでなく、外部の第三者に任せることも法律上はOKです!
2.組合の業務の執行は、組合契約の定めるところにより、一人または数人の組合員に委任することができるが、第三者に委任することはできない。

2・・・誤り

民法670条2項により、組合の業務の「執行」についても、組合契約で定めれば、第三者に委任することが可能です。
したがって、「第三者に委任できない」とする本肢の記述は誤りです。

✅ つまり、業務の「決定」だけでなく「執行」も、組合契約の内容しだいで、第三者に委任することができます!
3.各組合員の出資その他の組合財産は、総組合員の共有に属し、各組合員は、いつでも組合財産の分割を請求することができる。

3・・・誤り

たしかに、組合財産は総組合員の共有に属する(民法668条)という点は正しいです。
しかし、「各組合員がいつでも分割を請求できる」というのは誤りです。

民法676条3項により、組合の清算前に組合財産の分割を請求することはできません
なぜなら、組合財産は組合の目的を達成するための共通財産であり、途中で自由に分割されてしまうと、組合の運営に支障が出るためです。

✅ つまり、組合財産の分割請求は「清算の段階」になってから。運営中は勝手に分けられません!
4.組合契約で組合の存続期間を定めた場合であるか、これを定めなかった場合であるかを問わず、各組合員は、いつでも脱退することができる。

4・・・誤り

「いつでも脱退することができる」というのは誤りです。
民法678条には、脱退が制限される場合が明確に定められています。

🔹 ①組合の存続期間を定めなかった場合(民法678条1項)

 原則、いつでも脱退できます。
ただし、組合に不利な時期には脱退できない※やむを得ない事由があるときは除く

🔹 ②組合の存続期間を定めた場合(民法678条2項)

 原則として、存続期間中の脱退はできません
ただし、やむを得ない事由があるときは脱退が認められます。

✅ つまり:脱退の自由は無制限ではありません!
状況によって「時期」や「理由」に制限があります!
5.組合契約の定めるところにより一人または数人の組合員に業務の決定および執行を委任した場合、その組合員は、正当な事由があるときに限り、他の組合員の一致によって解任することができる。

5・・・正しい

民法672条2項により、業務の決定および執行を委任された組合員は、正当な事由がある場合に限って、他の組合員全員の一致によって解任することができます
これは、業務を任されている組合員の地位を安定させ、軽率な解任によって組合運営が混乱することを防ぐためです。

また、委任された組合員自身も、正当な事由がなければ辞任できません(民法672条1項)。
したがって、「正当な事由があるときに限り解任できる」とする本肢の記述は正しいです。

✅ つまり、業務を任された組合員の地位は安易に動かせない。解任も辞任も「正当な事由」が必要です!


令和6年(2024年)過去問

問1 基礎法学 問31 民法
問2 基礎法学 問32 民法
問3 憲法 問33 民法
問4 憲法 問34 民法
問5 憲法 問35 民法
問6 憲法 問36 商法
問7 憲法 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 多肢選択
問12 行政手続法 問42 多肢選択
問13 行政手続法 問43 多肢選択
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行服法・行訴法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 基礎知識
問18 行政事件訴訟法 問48 基礎知識
問19 行政事件訴訟法 問49 基礎知識
問20 国家賠償法 問50 基礎知識
問21 国家賠償法 問51 基礎知識
問22 地方自治法 問52 行政書士法
問23 地方自治法 問53 住民基本台帳法
問24 地方自治法 問54 基礎知識
問25 行政法 問55 基礎知識
問26 公文書管理法 問56 基礎知識
問27 民法 問57 個人情報保護法
問28 民法 問58 著作権の関係上省略
問29 民法 問59 著作権の関係上省略
問30 民法 問60 著作権の関係上省略

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