令和7年度の行政書士試験対策の個別指導開講
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錯誤

錯誤とは?

錯誤とは、簡単に言えば「勘違い」を意味します。具体例は、下記「表示の錯誤」と「動機の錯誤」の中で解説します。

表示の錯誤と動機の錯誤

表示の錯誤とは?

「表示の錯誤」とは、「意思表示に対応する意思を欠く錯誤」を言います(民法95条1項1号)。

分かりづらいですが、具体例を考えれば簡単です。

例えば、甲土地を買おうと思っていたのにも関わらず、「乙土地を購入します!」と言ってしまった場合です。

動機の錯誤とは?

「動機の錯誤」とは、「表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤」を言います(民法95条1項2号)。

これも具体例を考えれば簡単です。

例えば、甲土地の近くに駅が新設されると思い込んで「甲土地を購入します!」といったにも関わらず、駅は新設されなかった場合、「駅が新設される」という動機について勘違いをしています。

錯誤の成立要件

表示の錯誤の成立要件

下記2つを同時に満たすことで錯誤が成立します。

  1. 錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものである
  2. 表意者に重大な過失がない

※1の「重要なものである」とは、勘違いをしていたら、そのような意思表示をしなかっただろう場合です。

※「重大な過失」とは、通常期待される注意を著しく欠くことを言います。

動機の錯誤の成立要件

上記表示の錯誤の成立要件に加えて

動機を明示すること、または黙示に明示すること」が必要となります。

共通錯誤

共通錯誤とは、表意者だけでなく、相手方も同じ勘違いをしていた場合を指します。

この場合、表意者に重過失があっても、錯誤取消の主張ができます。

錯誤の効果

錯誤が成立すると、表意者(勘違いをした者)は、あとで取り消しをすることができます(民法95条1項)。

原則、相手方や第三者は、錯誤を理由に取り消すことはできません。

上記取消権は、①追認をすることができる時から5年間行使しないとき、または、②錯誤による意思表示をした時から20年を経過したとき時効によって消滅します(民法126条)。

錯誤と第三者との関係

善意無過失の第三者は保護されます(民法95条4項)。

例えば、Aが勘違いをして、A所有の土地をBに売却し、その後、Bが、「Aの錯誤について善意無過失のC」に売却した場合、善意無過失のCは保護され、AはCに対して、錯誤取消しを主張できません。

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参考条文

(錯誤)
第95条 意思表示は、次に掲げる錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。
一 意思表示に対応する意思を欠く錯誤
二 表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤
2 前項第二号の規定による意思表示の取消しは、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り、することができる。
3 錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には、次に掲げる場合を除き、第一項の規定による意思表示の取消しをすることができない。
一 相手方が表意者に錯誤があることを知り、又は重大な過失によって知らなかったとき。
二 相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたとき。
4 第一項の規定による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。

(取消権の期間の制限)
第126条 取消権は、追認をすることができる時から五年間行使しないときは、時効によって消滅する。行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。

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