認知とは?
婚姻関係にない男女の間に生まれた子(非嫡出子)について、その父又は母が自分の子であると認めることを「認知」と言います(民法779条)。
母親と子の関係については、分娩の事実により当然に親子関係が発生するので、認知は不要です(最判昭37.4.27)。
母親の認知については個別指導で解説します。
そして、この認知をすることで、法律上の親子関係を発生します。
また、認知には「任意認知」と「強制認知」の2つがあります。
任意認知
「任意認知」とは、父親・母親が届出をすることによって行ったり(民法781条1項)、父親・母親が遺言によって行ったりすることです(民法781条2項)。
この認知は、「父親・母親」が未成年者又は成年被後見人であっても、法定代理人の同意なく行えます(民法780条)。
成年の子の認知
また、成年の子を認知する場合、その子の承諾がなければ、認知することができません(民法782条)。
胎児又は死亡した子の認知
父親は、胎内の子でも、認知することができます。この場合、母の承諾を得なければなりません(民法783条1項)。
父親・母親は、死亡した子でも、その死亡した子に直系卑属(子や孫)がいるときに限り、認知することができます。この場合、その直系卑属が成年者であるときは、その承諾を得なければなりません(民法783条2項)。
強制認知
「強制認知」とは、男が子を認知しない場合に、裁判手続によって、子を認知させることです。
強制認知の流れ
強制認知を行う場合、まず、家庭裁判所に家事調停の申立てをしなければなりません(家事事件手続法257条:調停前置主義)。
調停がうまくいかなかった場合、「子、その直系卑属又はこれらの者の法定代理人」は、認知の訴えを提起することができます(民法787条本文)。
認知の訴えの期間制限
認知の訴えは、父又は母の死亡の日から3年を経過したときは、提起できなくなります(民法787条ただし書)。
認知の効果
認知は、出生の時にさかのぼってその効力を生じます。ただし、第三者が既に取得した権利を害することはできません(民法784条)。
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作成中・・・参考条文
(認知)
第779条 嫡出でない子は、その父又は母がこれを認知することができる。(認知能力)
第780条 認知をするには、父又は母が未成年者又は成年被後見人であるときであっても、その法定代理人の同意を要しない。(認知の方式)
第781条 認知は、戸籍法の定めるところにより届け出ることによってする。
2 認知は、遺言によっても、することができる。(成年の子の認知)
第782条 成年の子は、その承諾がなければ、これを認知することができない。(胎児又は死亡した子の認知)
第783条 父は、胎内に在る子でも、認知することができる。この場合においては、母の承諾を得なければならない。
2 父又は母は、死亡した子でも、その直系卑属があるときに限り、認知することができる。この場合において、その直系卑属が成年者であるときは、その承諾を得なければならない。(認知の効力)
第784条 認知は、出生の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者が既に取得した権利を害することはできない。(認知の取消しの禁止)
第785条 認知をした父又は母は、その認知を取り消すことができない。(認知に対する反対の事実の主張)
第786条 子その他の利害関係人は、認知に対して反対の事実を主張することができる。(認知の訴え)
第787条 子、その直系卑属又はこれらの者の法定代理人は、認知の訴えを提起することができる。ただし、父又は母の死亡の日から三年を経過したときは、この限りでない。(認知後の子の監護に関する事項の定め等)
第788条 第七百六十六条の規定は、父が認知する場合について準用する。