【解説】
問題文の状況
- A市は、同市内に市民会館を設置している
- 市民会館の運営は民間事業者である株式会社Bに委ねられている
- 利用者の申請に対する利用の許可なども、Bによってなされている
質問内容
質問内容は、下記4点です。
- 住民の福利を増進するためその利用に供するために設置される市民会館などを地方自治法は何と呼ぶか?
- 市民会館等の設置などに関する事項は、特別の定めがなければ、どの機関により決定されるか?
- また、どのような形式で決定されるか?
- 市民会館等の運営に当たるBのような団体は、何と呼ばれるか?
これらを一つ一つ考えていき、それを繋げればよいです。
住民の福利を増進するためその利用に供するために設置される市民会館などを地方自治法は何と呼ぶか?
普通地方公共団体は、住民の福祉を増進する目的をもってその利用に供するための施設(これを公の施設という。)を設けるものとします(地方自治法244条1項)。
つまり、市民会館のような公共の施設を、地方自治法では「公の施設」と呼びます。
市民会館等の設置などに関する事項は、特別の定めがなければ、どの機関により決定されるか?
条例を設け又は改廃することは、普通地方公共団体の議会の議決によります(地方自治法96条1項1号)。
したがって、どの機関により決定するかというと「議会の議決」により決定します。
また、どのような形式で決定されるか?
普通地方公共団体は、法律又はこれに基づく政令に特別の定めがあるものを除くほか、公の施設の設置及びその管理に関する事項は、「条例」でこれを定めなければなりません(地方自治法244条の2の1項)。
つまり、どのような形式かというと「条例」という形式で決定されます。
市民会館等の運営に当たるBのような団体は、何と呼ばれるか?
普通地方公共団体は、公の施設の設置の目的を効果的に達成するため必要があると認めるときは、条例の定めるところにより、法人その他の団体であって当該普通地方公共団体が指定するもの(「指定管理者」という。)に、当該公の施設の管理を行わせることができます(地方自治法244条の2の3項)。
したがって、市民会館等の運営に当たるBのような団体は「指定管理者」と呼ばれます。
そして、1~4をまとめると、
「公の施設と呼び、A市議会による条例で定められ、Bのような団体は指定管理者と呼ばれる。(42字)」
となります。