天皇(国事行為・皇室の財産)

行政書士の試験において、「天皇」について重要なポイントは、天皇の国事行為になってくるので

天皇の地位

憲法第2条
皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。

世襲(せしゅう)とは、特定の地位や職業、財産等を、子孫が代々承継することです。つまり、皇位(天皇の地位)は、子孫に継承されます。

また、天皇の地位については、「皇室典範」に従って継承が行われます。具体的には、皇室典範の第1章の「皇位継承」で規定しています。その中の第1条に「皇統に属する男系の男子」が皇位を継承するものと定めているため、女性天皇の是非についてが問題になっています。

天皇の国事行為

憲法第3条
天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。

憲法第4条
天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。

天皇の国事行為とは、天皇が行うものとして日本国憲法に規定された行為のことです。

日本国憲法第1条に基づき天皇の地位が象徴とされたことから、天皇が行う行為について、天皇が責任を負うのではなく、内閣が責任を負うものとし、そのために天皇の国事行為が内閣の助言と承認に基づいてなされるべきものであることを明らかにしています(3条)。

また、天皇は、象徴にすぎないので、国政について、何かしら決定することは行いません(4条)。行うことは、形式的・儀礼的行為です。つまり、天皇は、形だけの、儀式的な行為を行うということです。これは下記国事行為の内容を見ると分かります。

例えば、1番の「天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する」天皇は、内閣総理大臣を任命するのですが、実際には、国会で決まった者を、任命するだけなので、天皇が総理大臣を決めているわけではありません。あくまでも形式的儀礼的に任命行為を行っているだけです。

憲法で規定された天皇の国事行為は、下記の通り12あります。

  1. 国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命すること。(6条1項)
  2. 内閣の指名に基づいて,最高裁判所の長たる裁判官を任命すること。(6条2項)
  3. 憲法改正法律政令及び条約公布すること。(7条1号)
    憲法改正を公布することも含む(96条2項)
    予算、条例の公布は含まない
  4. 国会を召集すること。 (7条2号)
    参議院の緊急集会は含まない
  5. 衆議院を解散すること。 (7条3号)
    内閣が衆議院の解散を決定する
  6. 国会議員の総選挙の施行を公示すること。 (7条4号)
    補欠選挙は含まれない
  7. 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること(7条5号)
  8. 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権認証すること。(7条6号)
    決定は内閣が行う
  9. 栄典を授与すること。(7条7号)
  10. 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。(7条8号)
  11. 外国の大使及び公使を接受すること。(7条9号)
  12. 儀式を行ふこと。 (7条10号)

皇室の財産関係

下記条文が、皇室の財産に関する条文です。ここからも分かるように、皇室の財産は、国に帰属し、皇室の財産を売却する場合は、国会の議決が必要で、皇室が使うについては、予算に組みれておく必要があるということは分かります。

憲法第8条
皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が、財産を譲り受け、若しくは賜与することは、国会の議決に基かなければならない。

憲法第88条
すべて皇室財産は、国に属する。すべて皇室の費用は、予算に計上して国会の議決を経なければならない。

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