行政不服審査法5条:再調査の請求

再調査請求は、行政書士試験でも出題されています。審査請求や再審査請求と似ており、審査請求を中心に勉強している方が多いので、再調査請求が出題されると間違えてしまいます。それでは行政書士試験に合格できませんので注意しましょう!

再調査請求とは、行政庁の処分に対して納得がいかないので、もう一度調査してみてください!と請求することです。再調査請求は、処分した行政庁(=処分庁)に対して行います。

どんな場合に再調査請求が行えるか?(再調査請求の要件)

再調査請求が行るのは、以下の2つの要件を満たす必要があります。

  1. 審査請求ができること
  2. 法律に再調査請求できる旨があること

つまり、法律に再調査請求ができる旨がない場合、たとえ審査請求ができても再調査請求はできません。

また、審査請求をした場合、上記再調査請求ができる2つの要件を満たしていても、再調査請求ができなくなります。

再調査請求後の審査請求

再調査請求をした後に審査請求を行うことも可能です。その場合、再調査請求の決定を経た後でなければ、原則審査請求はできません

ただし、例外として、次の2つの場合、再調査請求の決定を経る前に審査請求ができます

  1. 再調査の請求をした日の翌日から起算して3か月を経過しても、処分庁が当該再調査の請求につき決定をしない場合
    ※再調査請求書に不備があり、その補正を命じられた時は、その補正をしたときから3か月を経過しても、処分庁が当該再調査の請求につき決定をしない場合
  2. 再調査の請求についての決定を経ないことにつき正当な理由がある場合

3か月を経過しても再調査請求が係属している場合

処分庁は、再調査の請求がされた日の翌日から起算して3か月を経過しても当該再調査の請求が係属している(続いている)ときは、遅滞なく、当該処分について直ちに審査請求をすることができる旨を書面でその再調査の請求人に教示しなければなりません。(行政不服審査法57条)

教示とは、「教えること」です。

(再調査の請求)
第5条 行政庁の処分につき処分庁以外の行政庁に対して審査請求をすることができる場合において、法律に再調査の請求をすることができる旨の定めがあるときは、当該処分に不服がある者は、処分庁に対して再調査の請求をすることができる。ただし、当該処分について第二条の規定により審査請求をしたときは、この限りでない。

2 前項本文の規定により再調査の請求をしたときは、当該再調査の請求についての決定を経た後でなければ、審査請求をすることができない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
一 当該処分につき再調査の請求をした日(第六十一条において読み替えて準用する第二十三条の規定により不備を補正すべきことを命じられた場合にあっては、当該不備を補正した日)の翌日から起算して三月を経過しても、処分庁が当該再調査の請求につき決定をしない場合
二 その他再調査の請求についての決定を経ないことにつき正当な理由がある場合

行政不服審査法4条:審査請求すべき行政庁

行政不服審査法4条では、実際に審査請求を行う場合、「誰に対して行うか」を規定しています。

非常にややこしいので、処分庁等に上級行政庁がない場合と上級行政庁がある場合に分けて、上級行政庁がある場合については、原則と例外に分けて整理するとよいでしょう!

まず、言葉の意味から理解しましょう!

処分庁とは、実際に「処分をした行政庁」を指します。
不作為庁とは、申請したけど、その申請に対して何もしない行政庁です。

審査請求先
処分庁・不作為庁に上級行政庁がないとき 当該処分庁や不作為庁
処分庁・不作為庁に上級行政庁があるとき 原則 最上級行政庁
例外 処分庁・不作為庁が、主任大臣、宮内庁長官、内閣府や各省の外局の長の場合、当該処分庁・不作為庁 ※

※の具体例は、処分庁が財務省の外局である国税庁長官の場合、最上級行政庁は、財務大臣です。しかし、この場合、処分庁である国税庁長官に対して審査請求を行います。

(審査請求をすべき行政庁)
第4条 審査請求は、法律(条例に基づく処分については、条例)に特別の定めがある場合を除くほか、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める行政庁に対してするものとする。
一 処分庁等(処分をした行政庁(以下「処分庁」という。)又は不作為に係る行政庁(以下「不作為庁」という。)をいう。以下同じ。)に上級行政庁がない場合又は処分庁等が主任の大臣若しくは宮内庁長官若しくは内閣府設置法第49条第1項若しくは第2項若しくは国家行政組織法第3条第2項に規定する庁の長である場合 当該処分庁等
二 宮内庁長官又は内閣府設置法第49条第1項若しくは第2項若しくは国家行政組織法第3条第2項に規定する庁の長が処分庁等の上級行政庁である場合 宮内庁長官又は当該庁の長
三 主任の大臣が処分庁等の上級行政庁である場合(前二号に掲げる場合を除く。) 当該主任の大臣
四 前三号に掲げる場合以外の場合 当該処分庁等の最上級行政庁

行政不服審査法2条・3条:処分・不作為についての審査請求

行政不服審査法の2条、3条は基本的な部分で重要です。行政書士試験で出題されても得点できるように処分や不作為の定義をしっかり押さえておきましょう!この定義は、この後で勉強する行政事件訴訟法にも関連してきます!

行政不服審査法における「処分」の定義

行政不服審査法における「処分」とは、行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為を言います。

その他公権力の行使について

「その他公権力の行使」とは、公権力の行使に当たる事実行為で、人の収容物の留置その他その内容が継続的性質を有するが含まれます。

  • 人の収容とは、例えば、不法入国者を強制退去させる前に収容する場合
  • 物の留置とは、例えば、食品添加物などの試験のために食品を持って帰る場合

ただし、「公権力の行使に当たる事実行為」は条文には規定されていません。条文には規定されていないですが、不服申立ての対象に含まると解されています

行政不服審査法における「不作為」の定義

行政不服審査法における「不作為」とは、行政庁が、申請に対して何らの処分もしないことです。

そして、申請して直ちに不作為に該当するのではなく、相当期間を経過した場合に不作為に該当します。

例えば、宅建業者が、免許の申請したにも関わらず、知事が許可も不許可もしない場合、不作為となります。

審査請求とは?

審査請求とは、処分または不作為に対する、原則的な不服申立ての手段を言います。

不服申立てには、①審査請求、②再調査請求、③再審査請求の3つがあるのですが、原則、①審査請求を行い、法律に定めがある場合に、②再調査請求や③再審査請求ができます。

審査請求の申立先(誰に審査請求をするか)はこちら>>

(処分についての審査請求)
第2条 行政庁の処分に不服がある者は、第4条及び第5条第二項の定めるところにより、審査請求をすることができる。

(不作為についての審査請求)
第3条 法令に基づき行政庁に対して処分についての申請をした者は、当該申請から相当の期間が経過したにもかかわらず、行政庁の不作為(法令に基づく申請に対して何らの処分をもしないことをいう。以下同じ。)がある場合には、次条の定めるところにより、当該不作為についての審査請求をすることができる

行政不服審査法1条:目的

行政不服審査法は、行政書士試験では、行政手続法同様、条文が非常に重要になってきます。そのため、条文を一つ一つ解説していきます!

行政不服審査法とは?

行政庁の処分に関し、国民が「行政庁の処分は不服だ!それは法律上おかしいだろ!」といった場合に、行政庁に不服を申し立てることができます。その不服申立てのやり方や流れなどをルール化しています。

行政不服審査法の目的

この法律は、行政庁の違法な処分・公権力の行使又は不当な処分・公権力の行使に関し、国民が簡易迅速かつ公正な手続の下で広く行政庁に対する不服申立てをすることができるための制度を定めることにより、
○ 国民の権利利益の救済を図るとともに、
○ 行政の適正な運営を確保すること
を目的としています。

この目的はそのまま行政書士試験の問題で出題されるので覚えておきましょう!キーワードは上記赤文字です。

行政不服審査法の目的のポイント

  1. 違法な処分だけでなく、不当な処分も不服審査法の対象となる
  2. 「簡易迅速かつ公正な手続きを行うこと」で、「国民の権利利益の救済を図り」「行政の適正な運営確保」を目的としている

行政事件訴訟法との「対象」の違い

行政不服審査法 違法又は不当な処分・公権力の行使
行政事件訴訟法 違法な処分・公権力の行使

行政事件訴訟法との「目的」の違い

行政不服審査法 国民が簡易迅速かつ公正な手続の下で広く行政庁に対する不服申立てをすることができるための制度を定めることにより、国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保することを目的とする
行政手続法 手続に関し、共通する事項を定めることによって、行政運営における公正の確保透明性の向上を図り、もって国民の権利利益の保護に資することを目的とする。

(目的等)
第1条 この法律は、行政庁の違法又は不当な処分その他公権力の行使に当たる行為に関し、国民が簡易迅速かつ公正な手続の下で広く行政庁に対する不服申立てをすることができるための制度を定めることにより、国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保することを目的とする。
2 行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為(以下単に「処分」という。)に関する不服申立てについては、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、この法律の定めるところによる。

行政手続法46条:地方公共団体の措置

地方公共団体の機関がする行為で行政手続法が適用されないものは、行政手続法3条3項に規定されています。ただ、行政手続法が適用されないとしても、その趣旨にのっとり、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図るため必要な措置を講ずるよう努めなければなりません(努力義務)。

この点は、行政書士試験でも出題される部分なので、行政手続法が適用されない地方公共団体の機関がする行為と合わせて覚えておきましょう!

(地方公共団体の措置)
行政手続法第46条 地方公共団体は、第3条第3項において第二章から前章までの規定を適用しないこととされた処分、行政指導及び届出並びに命令等を定める行為に関する手続について、この法律の規定の趣旨にのっとり、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図るため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

意見公募手続(行政手続法39条、40条、41条、42条、43条、45条)

命令等を定める際の意見公募手続の流れは以下の通りです。行政書士試験対策として、流れにそって頭に入れることをお勧めします。別々に覚えると、整理しづらいからです。行政書士試験は、覚える量が多いので、整理しながら頭に入れないと合格するのが難しいです。

  1. 行政機関による命令等の案の作成と公示
  2. 意見の募集
  3. 提出意見の考慮と命令等の策定
  4. 命令等の公示

命令等の案の作成と公示

命令等の案とは、行政機関が定めようとしている命令等の内容です。この案は具体的かつ明確な内容であって、かつその命令等の題名および、命令等を定める根拠となる法令の条項が明示されたものでなければならない。

命令等の案の公示にあたっては、関連する資料も併せて公示しなければなりません(義務)。

公示の方法は、インターネットで行います(45条)。

意見の募集

意見を提出できる者

命令等制定機関は、広く一般の意見を求めなければなりません義務)。つまり、利害関係人以外も意見を提出できます

意見の提出期間

意見の提出期間は、命令等の案を公示の日から起算して30日以上で定めなければなりません。(39条3項)

ただし、やむを得ない理由があるときは例外として、30日以下の期間でも許されます。(40条1項)

30日を下回る意見提出期間にする場合は、やむを得ない理由を明らかにしなければなりません

やむを得ない理由とは、命令等の制定期間が法律で決まっていて、意見を聴いている時間がない場合です。

意見公募手続の周知・情報の提供

意見公募を行うにしても、国民がそのことを知らなければ意味がありません。

そのため、命令等制定機関は、意見公募手続を実施して命令等を定めるに当たっては、必要に応じ、当該意見公募手続の実施について周知するよう努めるとともに、当該意見公募手続の実施に関連する情報の提供に努めるものとする。意見公募手続の周知と情報提供は努力義務です。(41条)

提出意見の考慮と命令等の策定

命令等制定機関は、意見公募手続を実施して命令等を定める場合には、意見提出期間内(原則、30日以上の期間)に当該命令等制定機関に対し提出された当該命令等の案についての意見を十分に考慮しなければならない(義務)。(42条)

命令等の公示

命令等制定機関は、意見公募手続を実施して命令等を定めた場合には、当該命令等の公布と同時期に、下記内容を公示しなければなりません。

  1. 命令等の題名
  2. 命令等の案の公示の日
  3. 提出意見(提出意見がなかった場合にあっては、その旨
  4. 提出意見を考慮した結果意見公募手続を実施した命令等の案と定めた命令等との差異を含む。)及びその理由

※提出意見について、整理・要約したものでもよいです(43条2項)。また、例外として、第三者の利益を害する場合は、記載事項から除くことができます(43条3項)。

命令等制定機関は、意見公募手続を実施したにもかかわらず命令等を定めないこととした場合には、その旨(別の命令等の案について改めて意見公募手続を実施しようとする場合にあっては、その旨を含む。)並びに「命令等の題名」及び「命令等の案の公示の日」を速やかに公示しなければなりません(43条4項)。

公示の方法は、インターネットで行います(45条)。

 

(意見公募手続)
行政手続法第39条 命令等制定機関は、命令等を定めようとする場合には、当該命令等の案(命令等で定めようとする内容を示すものをいう。以下同じ。)及びこれに関連する資料をあらかじめ公示し、意見(情報を含む。以下同じ。)の提出先及び意見の提出のための期間(以下「意見提出期間」という。)を定めて広く一般の意見を求めなければならない。
2 前項の規定により公示する命令等の案は、具体的かつ明確な内容のものであって、かつ、当該命令等の題名及び当該命令等を定める根拠となる法令の条項が明示されたものでなければならない。
3 第一項の規定により定める意見提出期間は、同項の公示の日から起算して30日以上でなければならない。
4 次の各号のいずれかに該当するときは、第一項の規定は、適用しない。
一 公益上、緊急に命令等を定める必要があるため、第一項の規定による手続(以下「意見公募手続」という。)を実施することが困難であるとき。
二 納付すべき金銭について定める法律の制定又は改正により必要となる当該金銭の額の算定の基礎となるべき金額及び率並びに算定方法についての命令等その他当該法律の施行に関し必要な事項を定める命令等を定めようとするとき。
三 予算の定めるところにより金銭の給付決定を行うために必要となる当該金銭の額の算定の基礎となるべき金額及び率並びに算定方法その他の事項を定める命令等を定めようとするとき。
四 法律の規定により、内閣府設置法第49条第1項若しくは第2項若しくは国家行政組織法第3条第2項に規定する委員会又は内閣府設置法第37条若しくは第54条若しくは国家行政組織法第8条に規定する機関(以下「委員会等」という。)の議を経て定めることとされている命令等であって、相反する利害を有する者の間の利害の調整を目的として、法律又は政令の規定により、これらの者及び公益をそれぞれ代表する委員をもって組織される委員会等において審議を行うこととされているものとして政令で定める命令等を定めようとするとき。
五 他の行政機関が意見公募手続を実施して定めた命令等と実質的に同一の命令等を定めようとするとき。
六 法律の規定に基づき法令の規定の適用又は準用について必要な技術的読替えを定める命令等を定めようとするとき。
七 命令等を定める根拠となる法令の規定の削除に伴い当然必要とされる当該命令等の廃止をしようとするとき。
八 他の法令の制定又は改廃に伴い当然必要とされる規定の整理その他の意見公募手続を実施することを要しない軽微な変更として政令で定めるものを内容とする命令等を定めようとするとき。

(意見公募手続の特例)
行政手続法第40条 命令等制定機関は、命令等を定めようとする場合において、30日以上の意見提出期間を定めることができないやむを得ない理由があるときは、前条第三項の規定にかかわらず、30日を下回る意見提出期間を定めることができる。この場合においては、当該命令等の案の公示の際その理由を明らかにしなければならない。
2 命令等制定機関は、委員会等の議を経て命令等を定めようとする場合(前条第四項第四号に該当する場合を除く。)において、当該委員会等が意見公募手続に準じた手続を実施したときは、同条第一項の規定にかかわらず、自ら意見公募手続を実施することを要しない。

(意見公募手続の周知等)
行政手続法第41条 命令等制定機関は、意見公募手続を実施して命令等を定めるに当たっては、必要に応じ、当該意見公募手続の実施について周知するよう努めるとともに、当該意見公募手続の実施に関連する情報の提供に努めるものとする。

(提出意見の考慮)
行政手続法第42条 命令等制定機関は、意見公募手続を実施して命令等を定める場合には、意見提出期間内に当該命令等制定機関に対し提出された当該命令等の案についての意見(以下「提出意見」という。)を十分に考慮しなければならない。

(結果の公示等)
行政手続法第43条 命令等制定機関は、意見公募手続を実施して命令等を定めた場合には、当該命令等の公布(公布をしないものにあっては、公にする行為。第五項において同じ。)と同時期に、次に掲げる事項を公示しなければならない。
一 命令等の題名
二 命令等の案の公示の日
三 提出意見(提出意見がなかった場合にあっては、その旨)
四 提出意見を考慮した結果(意見公募手続を実施した命令等の案と定めた命令等との差異を含む。)及びその理由
2 命令等制定機関は、前項の規定にかかわらず、必要に応じ、同項第三号の提出意見に代えて、当該提出意見を整理又は要約したものを公示することができる。この場合においては、当該公示の後遅滞なく、当該提出意見を当該命令等制定機関の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしなければならない。
3 命令等制定機関は、前二項の規定により提出意見を公示し又は公にすることにより第三者の利益を害するおそれがあるとき、その他正当な理由があるときは、当該提出意見の全部又は一部を除くことができる。
4 命令等制定機関は、意見公募手続を実施したにもかかわらず命令等を定めないこととした場合には、その旨(別の命令等の案について改めて意見公募手続を実施しようとする場合にあっては、その旨を含む。)並びに第一項第一号及び第二号に掲げる事項を速やかに公示しなければならない。
5 命令等制定機関は、第39条第4項各号のいずれかに該当することにより意見公募手続を実施しないで命令等を定めた場合には、当該命令等の公布と同時期に、次に掲げる事項を公示しなければならない。ただし、第一号に掲げる事項のうち命令等の趣旨については、同項第一号から第四号までのいずれかに該当することにより意見公募手続を実施しなかった場合において、当該命令等自体から明らかでないときに限る。
一 命令等の題名及び趣旨
二 意見公募手続を実施しなかった旨及びその理由

(公示の方法)
第45条 第39条第1項並びに第43条第1項(前条において読み替えて準用する場合を含む。)、第4項(前条において準用する場合を含む。)及び第5項の規定による公示は、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法により行うものとする。
2 前項の公示に関し必要な事項は、総務大臣が定める。

行政手続法38条:意見公募手続(命令等を定める場合の一般原則)

意見公募手続

意見公募手続きとは、簡単に言えば、「国民の意見を聴く」手続きを言います。命令等を定める場合、国民の多様な意見を聴いて、それを考慮しながら最終的に命令等を定めていきます。

日本は民主主義国家なので、国民の意見を聴くことは重要ですね!

命令等とは?

意見公募手続きが必要な命令等とは、下記4つです。行政書士試験では、最重要用語です。絶対に覚えましょう!

  1. 法律に基づく命令または規則
  2. 審査基準
  3. 処分基準
  4. 行政指導指針

法律に基づく命令とは、政令(内閣が制定)省令(大臣が制定)を指します。

>>政令や省令などの法規命令はこちら

そして、命令等を定める機関(命令制定機関)は、根拠となる法令の趣旨に適合するものとなるよう命令を制定しなければなりません。

さらに、命令等を定めた後においても、当該命令等の規定の「実施状況」、「社会経済情勢の変化」等を勘案し、必要に応じ、当該命令等の内容について検討を加え、その適正を確保するよう努めなければなりません。(努力義務なので、「必ず、適正を確保しなければならない」わけではない)

第六章 意見公募手続等
(命令等を定める場合の一般原則)
行政手続法第38条 命令等を定める機関(閣議の決定により命令等が定められる場合にあっては、当該命令等の立案をする各大臣。以下「命令等制定機関」という。)は、命令等を定めるに当たっては、当該命令等がこれを定める根拠となる法令の趣旨に適合するものとなるようにしなければならない。
2 命令等制定機関は、命令等を定めた後においても、当該命令等の規定の実施状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、必要に応じ、当該命令等の内容について検討を加え、その適正を確保するよう努めなければならない。

行政手続法37条:届出

届出とは?

まず、届出とは、行政手続法2条7号でも解説したのですが、行政庁に対し一定の事項の通知をする行為(申請に該当するものを除く。)であって、法令により直接に当該通知が義務付けられているものを言います。

例えば、行政書士法13条の10には、下記のように規定されています。これは届出に該当します。

(成立の届出等)
第13条の10 行政書士法人は、成立したときは、成立の日から2週間以内に、登記事項証明書及び定款の写しを添えて、その旨を、その主たる事務所の所在地の属する都道府県の区域に設立されている行政書士会を経由して、日本行政書士会連合会に届け出なければならない。

届出到達の効果

そして、下記1、2のような、届出の形式上の要件に適合している場合に、届出が、提出先の行政機関の事務所に到達したときに、届出義務を果たしたものとなります。

  1. 届出書の記載事項に不備がないこと
  2. 届出書に必要な書類が添付されていること

つまり、上記の行政書士法13条の10の事例で言えば、行政書士法人を設立した場合、2週間以内に、党事項証明書の写しなどを添えて、行政書士会を経由して、日本行政書士会連合会に届出をすることで、届出義務を果たしたことになります。

(届出)
行政手続法第37条 届出が届出書の記載事項に不備がないこと、届出書に必要な書類が添付されていることその他の法令に定められた届出の形式上の要件に適合している場合は、当該届出が法令により当該届出の提出先とされている機関の事務所に到達したときに、当該届出をすべき手続上の義務が履行されたものとする。

行政手続法36条の3:処分等の求め

行政手続法36条の3の「処分の求め」は、行政手続法36の2の「行政指導の中止等の求め」同様2014年に改正された内容です。

「処分などの求め」とは、簡単にいうと、法令違反を発見した第三者が、行政庁や行政機関に対して「処分をしてください!」「行政指導を行ってください!」と求めることができるというものです。

【注意点】

  1. 誰でも、処分の求めができる。利害関係人以外の者でもよい
  2. 行政指導を求める場合、根拠となる規定が法律に置かれているものでないといけない。つまり、条例や規則に根拠規定があっても行政指導の求めはできません。

行政書士試験では、上記2点をしっかり押さえておくことが、重要です!

(処分等の求め)
行政手続法第36条の3 何人も、法令に違反する事実がある場合において、その是正のためにされるべき処分又は行政指導(その根拠となる規定が法律に置かれているものに限る。)がされていないと思料するときは、当該処分をする権限を有する行政庁又は当該行政指導をする権限を有する行政機関に対し、その旨を申し出て、当該処分又は行政指導をすることを求めることができる。
2 前項の申出は、次に掲げる事項を記載した申出書を提出してしなければならない。
一 申出をする者の氏名又は名称及び住所又は居所
二 法令に違反する事実の内容
三 当該処分又は行政指導の内容
四 当該処分又は行政指導の根拠となる法令の条項
五 当該処分又は行政指導がされるべきであると思料する理由
六 その他参考となる事項
3 当該行政庁又は行政機関は、第1項の規定による申出があったときは、必要な調査を行い、その結果に基づき必要があると認めるときは、当該処分又は行政指導をしなければならない。

行政手続法36条の2:行政指導の中止等の求め

行政手続法36条の2の「行政指導の中止等の求め」は、2014年に改正された内容で、行政書士試験でも出題されやすい部分です。また、あまり勉強していない方もいるので、ここもしっかり勉強して得点できるようにしておきましょう!行政指導の中止等の申出書の内容までは覚えなくても大丈夫です。

行政手続法36条の2の「行政指導の中止等の求め」とは、簡単に言うと、行政指導を受けたけど、それは法律と照らしておかしいんじゃないの?という場合に、行政指導を受けた者が、行政指導をやめてください!と求めることができるということです。

不適切な行政指導により、企業のイメージが落ちたりするのは、困ります。そのための対抗手段といった感じです。

行政指導の中止等の求め

法令に違反する行為の是正を求める行政指導(その根拠となる規定が法律に置かれているものに限る。)の相手方は、当該行政指導が当該法律に規定する要件に適合しないと考えるときは、当該行政指導をした行政機関に対し、その旨を申し出て、行政指導の中止等の措置を求めることができます。

そして、この申出を受けた行政機関は必要な調査を行い、当該行政指導が当該法律に規定する要件に適合しないと認めるときは、当該行政指導の中止その他必要な措置をとらなければなりません。

【注意点】

「法律に基づく行政指導」に限って、誰でも、行政指導の中止を求めることができ、法律に基づかない行政指導は、中止を求めることはできません

行政指導の中止等を求めることができない場合

行政指導がその相手方について弁明その他意見陳述のための手続を経てされたものであるときは、行政指導の中止等を求めることができません。なぜなら、行政機関は、きちんと言い分を聞いた上で行政指導をしているからです。

行指指導の中止等の申出書の内容

行政指導の中止等を求める場合、下記内容を記載した申出書を行政機関に提出しなければなりません。

① 申出をする者の氏名又は名称及び住所又は居所
② 当該行政指導の内容
③ 当該行政指導がその根拠とする法律の条項
④ 上記条項に規定する要件
⑤ 当該行政指導が前号の要件に適合しないと思料する理由
⑥ その他参考となる事項

(行政指導の中止等の求め)
行政手続法第36条の2 法令に違反する行為の是正を求める行政指導(その根拠となる規定が法律に置かれているものに限る。)の相手方は、当該行政指導が当該法律に規定する要件に適合しないと思料するときは、当該行政指導をした行政機関に対し、その旨を申し出て、当該行政指導の中止その他必要な措置をとることを求めることができる。ただし、当該行政指導がその相手方について弁明その他意見陳述のための手続を経てされたものであるときは、この限りでない。
2 前項の申出は、次に掲げる事項を記載した申出書を提出してしなければならない。
一 申出をする者の氏名又は名称及び住所又は居所
二 当該行政指導の内容
三 当該行政指導がその根拠とする法律の条項
四 前号の条項に規定する要件
五 当該行政指導が前号の要件に適合しないと思料する理由
六 その他参考となる事項
3 当該行政機関は、第一項の規定による申出があったときは、必要な調査を行い、当該行政指導が当該法律に規定する要件に適合しないと認めるときは、当該行政指導の中止その他必要な措置をとらなければならない。