平成30年・2018|問31|民法:弁済

弁済に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものはどれか。

  1. 債務者が元本のほか利息および費用を支払うべき場合において、弁済として給付した金銭の額がその債務の全部を消滅させるのに足りないときは、債務者による充当の指定がない限り、これを順次に費用、利息および元本に充当しなければならない。
  2. 同一の債権者に対して数個の金銭債務を負担する債務者が、弁済として給付した金銭の額が全ての債務を消滅させるのに足りない場合であって、債務者が充当の指定をしないときは、債権者が弁済を受領する時に充当の指定をすることができるが、債務者がその充当に対して直ちに異議を述べたときは、この限りでない。
  3. 金銭債務を負担した債務者が、債権者の承諾を得て金銭の支払に代えて不動産を給付する場合において、代物弁済が成立するためには、債権者に所有権を移転させる旨の意思表示をするだけでは足りず、所有権移転登記がされなければならない。
  4. 債権者があらかじめ弁済の受領を拒んでいる場合、債務者は、口頭の提供をすれば債務不履行責任を免れるが、債権者において契約そのものの存在を否定する等弁済を受領しない意思が明確と認められるときは、口頭の提供をしなくても同責任を免れる。
  5. 債権者があらかじめ金銭債務の弁済の受領を拒んでいる場合、債務者は、口頭の提供をした上で弁済の目的物を供託することにより、債務を消滅させることができる。

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【答え】:1 民法改正に伴い解説作成中・・・

【解説】

1.債務者が元本のほか利息および費用を支払うべき場合において、弁済として給付した金銭の額がその債務の全部を消滅させるのに足りないときは、債務者による充当の指定がない限り、これを順次に費用、利息および元本に充当しなければならない。
1・・・妥当ではない
2.同一の債権者に対して数個の金銭債務を負担する債務者が、弁済として給付した金銭の額が全ての債務を消滅させるのに足りない場合であって、債務者が充当の指定をしないときは、債権者が弁済を受領する時に充当の指定をすることができるが、債務者がその充当に対して直ちに異議を述べたときは、この限りでない。
2・・・妥当
3.金銭債務を負担した債務者が、債権者の承諾を得て金銭の支払に代えて不動産を給付する場合において、代物弁済が成立するためには、債権者に所有権を移転させる旨の意思表示をするだけでは足りず、所有権移転登記がされなければならない。
3・・・妥当
4.債権者があらかじめ弁済の受領を拒んでいる場合、債務者は、口頭の提供をすれば債務不履行責任を免れるが、債権者において契約そのものの存在を否定する等弁済を受領しない意思が明確と認められるときは、口頭の提供をしなくても同責任を免れる。
4・・・妥当
5.債権者があらかじめ金銭債務の弁済の受領を拒んでいる場合、債務者は、口頭の提供をした上で弁済の目的物を供託することにより、債務を消滅させることができる。
5・・・妥当

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平成30年・2018|問30|民法:抵当権

抵当権の効力に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

  1. 抵当権の効力は抵当不動産の従物にも及ぶが、抵当不動産とは別個に従物について対抗要件を具備しなければ、その旨を第三者に対して対抗することができない。
  2. 借地上の建物に抵当権が設定された場合において、その建物の抵当権の効力は、特段の合意がない限り借地権には及ばない。
  3. 買戻特約付売買の買主が目的不動産について買主の債権者のために抵当権を設定し、その旨の登記がなされたところ、その後、売主が買戻権を行使した場合、買主が売主に対して有する買戻代金債権につき、上記抵当権者は物上代位権を行使することができる。
  4. 抵当不動産が転貸された場合、抵当権者は、原則として、転貸料債権(転貸賃料請求権)に対しでも物上代位権を行使することができる。
  5. 抵当権者が、被担保債権について利息および遅延損害金を請求する権利を有するときは、抵当権者は、原則として、それらの全額について優先弁済権を行使することができる。

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【答え】:5 民法改正に伴い解説作成中・・・

【解説】

1.抵当権の効力は抵当不動産の従物にも及ぶが、抵当不動産とは別個に従物について対抗要件を具備しなければ、その旨を第三者に対して対抗することができない。
1・・・妥当ではない
2.借地上の建物に抵当権が設定された場合において、その建物の抵当権の効力は、特段の合意がない限り借地権には及ばない。
2・・・妥当ではない
3.買戻特約付売買の買主が目的不動産について買主の債権者のために抵当権を設定し、その旨の登記がなされたところ、その後、売主が買戻権を行使した場合、買主が売主に対して有する買戻代金債権につき、上記抵当権者は物上代位権を行使することができる。
3・・・妥当
4.抵当不動産が転貸された場合、抵当権者は、原則として、転貸料債権(転貸賃料請求権)に対しでも物上代位権を行使することができる。
4・・・妥当でない
5.抵当権者が、被担保債権について利息および遅延損害金を請求する権利を有するときは、抵当権者は、原則として、それらの全額について優先弁済権を行使することができる。
5・・・妥当でない

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平成30年・2018|問29|民法:対抗関係

Aが登記簿上の所有名義人である甲土地をBが買い受ける旨の契約(以下「本件売買契約」という。)をA・B間で締結した場合に関する次のア~オの記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。

ア.甲土地は実際にはCの所有に属していたが、CがAに無断で甲土地の所有名義人をAとしていた場合において、Aがその事情を知らないBとの間で本件売買契約を締結したときであっても、BはCに対して甲土地の引渡しを求めることができない。

イ.甲土地はAの所有に属していたところ、Aの父であるDが、Aに無断でAの代理人と称して本件売買契約を締結し、その後Dが死亡してAがDを単独で相続したときは、Aは、Dの法律行為の追認を拒絶することができ、また、損害賠償の責任を免れる。

ウ.甲土地が相続によりAおよびEの共有に属していたところ、AがEに無断でAの単独所有名義の登記をしてBとの間で本件売買契約を締結し、Bが所有権移転登記をした場合において、Bがその事情を知らず、かつ、過失がないときは、Bは甲土地の全部について所有権を取得する。

エ.甲土地はAの所有に属していたところ、本件売買契約が締結され、B名義での所有権移転の仮登記がされた場合において、Aが甲土地をその事情を知らないFに売却し所有権移転登記をしたときは、Bは本登記をしない限りFに対して所有権の取得を対抗することができない。

オ.甲土地はAの所有に属していたところ、GがAに無断で甲土地上に建物を築造し、その建物の所有権保存登記をした場合において、本件売買契約により甲土地の所有者となったBは、Gが当該建物の所有権を他に譲渡していたとしても、登記名義がGにある限り、Gに対して当該建物の収去および土地の明渡しを求めることができる。

  1. ア・ウ
  2. ア・オ
  3. イ・ウ
  4. イ・エ
  5. エ・オ

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【答え】:5 民法改正に伴い解説作成中・・・

【解説】

ア.甲土地は実際にはCの所有に属していたが、CがAに無断で甲土地の所有名義人をAとしていた場合において、Aがその事情を知らないBとの間で本件売買契約を締結したときであっても、BはCに対して甲土地の引渡しを求めることができない。
ア・・・妥当ではない
イ.甲土地はAの所有に属していたところ、Aの父であるDが、Aに無断でAの代理人と称して本件売買契約を締結し、その後Dが死亡してAがDを単独で相続したときは、Aは、Dの法律行為の追認を拒絶することができ、また、損害賠償の責任を免れる。
イ・・・妥当ではない
ウ.甲土地が相続によりAおよびEの共有に属していたところ、AがEに無断でAの単独所有名義の登記をしてBとの間で本件売買契約を締結し、Bが所有権移転登記をした場合において、Bがその事情を知らず、かつ、過失がないときは、Bは甲土地の全部について所有権を取得する。
ウ・・・妥当
エ.甲土地はAの所有に属していたところ、本件売買契約が締結され、B名義での所有権移転の仮登記がされた場合において、Aが甲土地をその事情を知らないFに売却し所有権移転登記をしたときは、Bは本登記をしない限りFに対して所有権の取得を対抗することができない。
エ・・・妥当
オ.甲土地はAの所有に属していたところ、GがAに無断で甲土地上に建物を築造し、その建物の所有権保存登記をした場合において、本件売買契約により甲土地の所有者となったBは、Gが当該建物の所有権を他に譲渡していたとしても、登記名義がGにある限り、Gに対して当該建物の収去および土地の明渡しを求めることができる。
オ・・・妥当

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平成30年・2018|問28|民法:停止条件

A・B間で締結された契約(以下「本件契約」という。)に附款がある場合に関する次のア~オの記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。

ア.本件契約に、経済情勢に一定の変動があったときには当該契約は効力を失う旨の条項が定められている場合、効力の喪失時期は当該変動の発生時が原則であるが、A・Bの合意により、効力の喪失時期を契約時に遡らせることも可能である。イ.本件契約が売買契約であり、買主Bが品質良好と認めた場合には代金を支払うとする旨の条項が定められている場合、この条項はその条件の成就が代金債務者であるBの意思のみに係る随意条件であるから無効である。

ウ.本件契約が和解契約であり、Bは一定の行為をしないこと、もしBが当該禁止行為をした場合にはAに対して違約金を支払う旨の条項が定められている場合、Aが、第三者Cを介してBの当該禁止行為を誘発したときであっても、BはAに対して違約金支払の義務を負う。

エ.本件契約が農地の売買契約であり、所有権移転に必要な行政の許可を得られたときに効力を生じる旨の条項が定められている場合において、売主Aが当該許可を得ることを故意に妨げたときであっても、条件が成就したとみなされることはない。

オ.本件契約が金銭消費貸借契約であり、借主Bが将来社会的に成功を収めた場合に返済する旨の条項(いわゆる出世払い約款)が定められている場合、この条項は停止条件を定めたものであるから、Bは社会的な成功を収めない限り返済義務を負うものではない。

ア・イ
ア・エ
イ・ウ
ウ・オ
エ・オ

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【答え】:3 民法改正に伴い解説作成中・・・

【解説】

ア.本件契約に、経済情勢に一定の変動があったときには当該契約は効力を失う旨の条項が定められている場合、効力の喪失時期は当該変動の発生時が原則であるが、A・Bの合意により、効力の喪失時期を契約時に遡らせることも可能である。
ア・・・妥当
イ.本件契約が売買契約であり、買主Bが品質良好と認めた場合には代金を支払うとする旨の条項が定められている場合、この条項はその条件の成就が代金債務者であるBの意思のみに係る随意条件であるから無効である。
イ・・・妥当ではない
ウ.本件契約が和解契約であり、Bは一定の行為をしないこと、もしBが当該禁止行為をした場合にはAに対して違約金を支払う旨の条項が定められている場合、Aが、第三者Cを介してBの当該禁止行為を誘発したときであっても、BはAに対して違約金支払の義務を負う。
ウ・・・妥当ではない
エ.本件契約が農地の売買契約であり、所有権移転に必要な行政の許可を得られたときに効力を生じる旨の条項が定められている場合において、売主Aが当該許可を得ることを故意に妨げたときであっても、条件が成就したとみなされることはない。
エ・・・妥当
オ.本件契約が金銭消費貸借契約であり、借主Bが将来社会的に成功を収めた場合に返済する旨の条項(いわゆる出世払い約款)が定められている場合、この条項は停止条件を定めたものであるから、Bは社会的な成功を収めない限り返済義務を負うものではない。
オ・・・妥当ではない

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平成30年・2018|問27|民法:公序良俗・強行規定等

公序良俗および強行規定等の違反に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものはどれか。

  1. 食品の製造販売を業とする者が、有害物質の混入した食品を、食品衛生法に抵触するものであることを知りながら、あえて製造販売し取引を継続していた場合には、当該取引は、公序良俗に反して無効である。
  2. 債権の管理または回収の委託を受けた弁護士が、その手段として訴訟提起や保全命令の申立てをするために当該債権を譲り受ける行為は、たとえそれが弁護士法に違反するものであったとしても、司法機関を利用して不当な利益を追求することを目的として行われた等の事情がない限り、直ちにその私法上の効力が否定されるものではない。
  3. 組合契約において、組合員はやむを得ない事由があっても任意に脱退することができない旨の約定が存する場合であっても、組合員の脱退に関する民法の規定は強行規定ではないから、かかる約定の効力が否定されるものではない。
  4. 契約が公序に反することを目的とするものであるかどうかは、当該契約が成立した時点における公序に照らして判断すべきである。
  5. 男子の定年年齢を60歳、女子の定年年齢を55歳とする旨の会社の就業規則は、経営上の観点から男女別定年制を設けなければならない合理的理由が認められない場合、公序良俗に反して無効である。

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【答え】:3 民法改正に伴い解説作成中・・・

【解説】

1.食品の製造販売を業とする者が、有害物質の混入した食品を、食品衛生法に抵触するものであることを知りながら、あえて製造販売し取引を継続していた場合には、当該取引は、公序良俗に反して無効である。
1・・・妥当
2.債権の管理または回収の委託を受けた弁護士が、その手段として訴訟提起や保全命令の申立てをするために当該債権を譲り受ける行為は、たとえそれが弁護士法に違反するものであったとしても、司法機関を利用して不当な利益を追求することを目的として行われた等の事情がない限り、直ちにその私法上の効力が否定されるものではない。
2・・・妥当
3.組合契約において、組合員はやむを得ない事由があっても任意に脱退することができない旨の約定が存する場合であっても、組合員の脱退に関する民法の規定は強行規定ではないから、かかる約定の効力が否定されるものではない。
3・・・妥当ではない
4.契約が公序に反することを目的とするものであるかどうかは、当該契約が成立した時点における公序に照らして判断すべきである。
4・・・妥当
5.男子の定年年齢を60歳、女子の定年年齢を55歳とする旨の会社の就業規則は、経営上の観点から男女別定年制を設けなければならない合理的理由が認められない場合、公序良俗に反して無効である。
5・・・妥当

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平成30年・2018|問26|保育所廃止条例の制定行為の判例

ある市立保育所の廃止に関する以下の会話を受けてCが論点を整理した次の記述のうち、法令および最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。

A:友人が居住している市で、3つある市立保育所を廃止するための条例が制定されるらしいんだ。この場合、どうしたら、条例の制定を阻止できるのだろうか。

B:議会への働きかけも含めていろいろ考えられるけれども、その他、何らかの訴訟を提起することも考えられるね。

C:行政事件訴訟法と地方自治法を勉強するいい機会だから、すこし考えてみよう。

  1. 特定の市立保育所のみを廃止する条例の効力を停止するために、当該条例の効力の停止の申立てのみを、それに対する抗告訴訟の提起の前に行うことができる。
  2. 特定の市立保育所を廃止する条例の制定行為については、住民訴訟によってその差止めを求めることができる。
  3. 条例の制定行為は、普通地方公共団体の議会が行う立法行為に属するが、一般的に抗告訴訟の対象となる行政処分に当たると解されている。
  4. 特定の市立保育所の廃止条例の制定に関する議決を阻止するため、一定数の選挙人の署名により、地方自治法上の直接請求をすることができる。
  5. 処分の取消判決や執行停止の決定には第三者効が認められているため、市立保育所廃止条例の制定行為の適法性を抗告訴訟によって争うことには合理性がある。

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【答え】:5

【解説】

1.特定の市立保育所のみを廃止する条例の効力を停止するために、当該条例の効力の停止の申立てのみを、それに対する抗告訴訟の提起の前に行うことができる。
1・・・妥当ではない
処分の取消しの訴えの提起は、処分の効力、処分の執行又は手続の続行を妨げません(行政事件訴訟法25条1項)。そのため、処分の取消訴訟をしたとしても、条例の効力を執行させることはできません。
なので、処分の取消しの訴えの提起をした後に、執行停止の申立てをすることができます(行政事件訴訟法25条2項)。
よって、「効力停止の申立てのみ、抗告訴訟(取消訴訟)の提起の前に行うことができる」という記述は妥当ではありません。

2.特定の市立保育所を廃止する条例の制定行為については、住民訴訟によってその差止めを求めることができる。
2・・・妥当ではない
まず、住民訴訟は、住民監査請求をしたにも関わらず、①その監査結果に不服あるときや、②監査委員が勧告したが、議会や長等がその勧告に従わない場合に、裁判所に訴えを提起するものです(地方自治法242条の2)。
そして、住民監査請求の対象は、「財務会計上の違法・不当な行為または不作為」です(地方自治法242条)。
したがって、住民訴訟の対象も「財務会計上の違法・不当な行為または不作為」です。
よって、条例制定行為について、住民訴訟を行うことはできません。
そして、「特定の市立保育所を廃止する条例の制定行為」については、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たるため、抗告訴訟によって差止めを求めること(差止め訴訟)は可能です。
ちなみに、下記判例の事案では「取消訴訟」を提起しています。

3.条例の制定行為は、普通地方公共団体の議会が行う立法行為に属するが、一般的に抗告訴訟の対象となる行政処分に当たると解されている。
3・・・妥当ではない
選択肢の2の判例の詳細解説にも記載されていますが、
条例の制定は、普通地方公共団体の議会が行う立法作用に属するから、一般的には、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たるものでない、とされています。
したがって、妥当ではありません。
事案の内容は、条例の制定行為ではあるが、限られた特定の者らに対して、直接、当該保育所において保育を受けることを期待し得る上記の法的地位を奪う結果を生じさせるため、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たるとしています(「最判平21.11.26:保育所廃止条例の制定行為」の解説参照)。
4.特定の市立保育所の廃止条例の制定に関する議決を阻止するため、一定数の選挙人の署名により、地方自治法上の直接請求をすることができる。
4・・・妥当ではない
普通地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有する者(有権者)は、その総数の50分の1以上の者の連署をもって、その代表者から、普通地方公共団体の長に対し、条例の制定又は改廃の請求をすることができます(地方自治法74条1項)。
上記直接請求に関する規定は、
「制定されていない条例を制定しろ!」と請求したり
「制定された条例を変更しろ!廃止しろ!」と請求したりすることです。
条例制定議決の阻止を請求することはできません。

5.処分の取消判決や執行停止の決定には第三者効が認められているため、市立保育所廃止条例の制定行為の適法性を抗告訴訟によって争うことには合理性がある。
5・・・妥当
選択肢1、3で解説した「最判平21.11.26:保育所廃止条例の制定行為」の解説にも記載していますが、
「処分の取消判決や執行停止の決定に第三者効(行政事件訴訟法32条)が認められている取消訴訟において市立保育所廃止条例の制定行為の適法性を争い得るとすることには合理性がある」
と判示しています。
したがって、本肢は妥当です。

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平成30年・2018|問25|行政法の判例

道路等についての最高裁判所の判決に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

道路の供用によって騒音や排気ガス等が生じ、当該道路の周辺住民に社会生活上受忍すべき限度を超える被害が生じていたとしても、このような供用に関連する瑕疵は、国家賠償法に定める「公の営造物の設置又は管理」上の瑕疵とはいえないから、道路管理者には国家賠償法上の責任は生じない。

  1. 公図上は水路として表示されている公共用財産が、長年の間事実上公の目的に供用されることなく放置され、公共用財産としての外観を全く喪失し、もはやその物を公共用財産として維持すべき理由がなくなった場合であっても、行政庁による明示の公用廃止が行われない限り、当該水路は取得時効の対象とはなり得ない。
  2. 建築基準法の定める道路の指定は、一定の条件に合致する道を一律に指定する一括指定の方法でなされることもあるが、一括して指定する方法でした道路の指定であっても、個別の土地についてその本来的な効果として具体的な私権制限を発生させるものであるから、当該指定は抗告訴訟の対象になる行政処分に当たる。
  3. 運転者が原動機付自転車を運転中に、道路上に長時間放置してあった事故車両に衝突して死亡した事故が発生した場合であっても、道路上の自動車の放置は、国家賠償法に定める「公の営造物の設置又は管理」上の瑕疵とはいえないから、道路の管理費用を負担すべき県には国家賠償法に基づく責任は認められない。
  4. 特別区の建築安全条例所定の接道要件が満たされていない建築物について、条例に基づいて区長の安全認定が行われた後に当該建築物の建築確認がされた場合であっても、後続処分たる建築確認の取消訴訟において、先行処分たる安全認定の違法を主張することは許されない。

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【答え】:3

【解説】

1.道路の供用によって騒音や排気ガス等が生じ、当該道路の周辺住民に社会生活上受忍すべき限度を超える被害が生じていたとしても、このような供用に関連する瑕疵は、国家賠償法に定める「公の営造物の設置又は管理」上の瑕疵とはいえないから、道路管理者には国家賠償法上の責任は生じない。
1・・・誤り
最判平7.7.7」の事案によると、判例では
一般国道等の道路の周辺住民がその供用に伴う自動車騒音等により受けた被害について、社会生活上受忍すべき限度を超え道路の設置又は管理には瑕疵があるというべきであるとして、国家賠償請求を認めています。したがって、道路の周辺住民に社会生活上受忍すべき限度を超える被害が生じていたのであれば、道路の設置又は管理には瑕疵があるといえるため、道路管理者には国賠法上の責任が生じます。
2.公図上は水路として表示されている公共用財産が、長年の間事実上公の目的に供用されることなく放置され、公共用財産としての外観を全く喪失し、もはやその物を公共用財産として維持すべき理由がなくなった場合であっても、行政庁による明示の公用廃止が行われない限り、当該水路は取得時効の対象とはなり得ない。
2・・・誤り
本肢は「最判昭51.12.24」の判例の内容です。
公共用財産が、長年の間、事実上、公の目的に供用されることなく放置され、
公共用財産としての形態、機能を全く喪失し、
その物の上に他人の平穏かつ公然の占有が継続したが、そのため実際上公の目的が害されることもなく、
もはやその物を公共用財産として維持すべき理由がなくなった場合には、
上記公共用財産について、黙示的に公用が廃止されたものとして、取得時効の成立を妨げないとしています。
言い換えると、上記の場合、取得時効の対象となるので誤りです。

3.建築基準法の定める道路の指定は、一定の条件に合致する道を一律に指定する一括指定の方法でなされることもあるが、一括して指定する方法でした道路の指定であっても、個別の土地についてその本来的な効果として具体的な私権制限を発生させるものであるから、当該指定は抗告訴訟の対象になる行政処分に当たる。
3・・・正しい
本肢は「最判平14.1.17」に関する内容です。
判例では、二項道路(建築基準法で定める道路)を一括で指定したとしても、個別・具体的な権利の制限を発生させるため、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる、としています。

4.運転者が原動機付自転車を運転中に、道路上に長時間放置してあった事故車両に衝突して死亡した事故が発生した場合であっても、道路上の自動車の放置は、国家賠償法に定める「公の営造物の設置又は管理」上の瑕疵とはいえないから、道路の管理費用を負担すべき県には国家賠償法に基づく責任は認められない。
4・・・誤り
本肢は「最判昭和50年7月25日」の判例に関する内容です。
判例では、道路管理者は、道路を常時良好な状態に保つように維持し、修繕し、もって一般交通に支障を及ぼさないように努める義務を負っている。
そして、道路中央線付近に故障した大型貨物自動車が87時間(長時間)にわたって放置されており、その放置された故障車に追突した場合、道路管理に瑕疵があった状態であるとしています。
よって、道路の管理費用を負担すべき県には国家賠償法に基づく責任は認められます

5.特別区の建築安全条例所定の接道要件が満たされていない建築物について、条例に基づいて区長の安全認定が行われた後に当該建築物の建築確認がされた場合であっても、後続処分たる建築確認の取消訴訟において、先行処分たる安全認定の違法を主張することは許されない。
5・・・誤り
本肢は「最判平21.12.17」の判例の内容です。
「①建築確認における接道要件充足の有無の判断」と、「②安全認定における安全上の支障の有無の判断」は、異なる機関がそれぞれの権限に基づき行うこととされているが、もともとは一体的に行われていたものであり、避難又は通行の安全の確保という同一の目的を達成するために行われるもの等の理由で、
「建築確認の取消訴訟」において、「安全認定に違反がある」と主張することは許されます
よって誤りです。

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平成30年・2018|問24|地方自治法

地方自治法の定める都道府県の事務に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 都道府県は、自治事務については条例を制定することができるが、法定受託事務については条例を制定することができない。
  2. 都道府県の事務は、自治事務、法定受託事務および機関委任事務の3種類に分類される。
  3. 都道府県の自治事務については、地方自治法上、どのような事務がこれに該当するかについて、例示列挙されている。
  4. 都道府県の法定受託事務は、国が本来果たすべき役割に係るものであるから、法定受託事務に関する賠償責任は国にあり、都道府県に賠償責任が生じることはないものとされている。
  5. 都道府県の自治事務と法定受託事務は、いずれも事務の監査請求および住民監査請求の対象となることがある。

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【答え】:5

【解説】

1.都道府県は、自治事務については条例を制定することができるが、法定受託事務については条例を制定することができない。
1・・・誤り
普通地方公共団体は、地域における事務及びその他の事務で法律又はこれに基づく政令により処理することとされるものを処理します(地方自治法2条2項)。
そして、普通地方公共団体は、法令に違反しない限りにおいて上記事務に関し、条例を制定することができます(地方自治法14条1項)。
事務については「法定受託事務」と「自治事務」の2つがありますが、上記条文のから、どちらについても条例制定できることが分かります。
よって、「法定受託事務については条例を制定することができない」という記述は誤りです。

2.都道府県の事務は、自治事務、法定受託事務および機関委任事務の3種類に分類される。
2・・・誤り
普通地方公共団体は、地域における事務及びその他の事務で法律又はこれに基づく政令により処理することとされるものを処理します(地方自治法2条2項)。
そして、この事務は、「自治事務」と「法定受託事務」の2つがあります(同条8項9項)。
したがって、「機関委任事務」はないので誤りです。
※機関委任事務は、地方分権一括法に基づく地方地自法の改正(平成12年施行)により、廃止された。
3.都道府県の自治事務については、地方自治法上、どのような事務がこれに該当するかについて、例示列挙されている。
3・・・誤り
「自治事務」とは、地方公共団体が処理する事務のうち、法定受託事務以外のものをいいます(地方自治法2条8項)。
法定受託事務」は、「第1号法定受託事務」と「第2号法定受託事務」の2つがあるのですが
それ以外は、すべて「自治事務」に当たります。
具体的に例示列挙することができないくらい多いため、上記のように、「~以外のもの」としています。
4.都道府県の法定受託事務は、国が本来果たすべき役割に係るものであるから、法定受託事務に関する賠償責任は国にあり、都道府県に賠償責任が生じることはないものとされている。

4・・・誤り法定受託事務には、「第1号法定受託事務」と「第2号法定受託事務」があります(地方自治法2条9項)。

「第1号法定受託事務」は、
法令により国が本来果たすべき役割に係る事務の一部を都道府県、市町村又は特別区が処理することとされた事務です(地方自治法2条9項1号)

「第2号法定受託事務」とは、法令により都道府県が本来果たすべき役割に係る事務の一部を市町村又は特別区が処理することとされた事務です(地方自治法2条9項2号)。

法定受託事務に関する賠償責任は、国、都道府県、市町村又は特別区が責任を負います
したがって、「都道府県に賠償責任が生じることはない」という記述は誤りです。

ちなみに、国家賠償法3条1項では下記のように規定されています。
国又は公共団体が損害を賠償する責に任ずる場合において、『「公務員の選任若しくは監督」又は「公の営造物の設置若しくは管理」に当る者』と『「公務員の俸給、給与その他の費用」又は「公の営造物の設置若しくは管理の費用」を負担する者』とが異なるときは、費用を負担する者もまた、その損害を賠償する責に任ずる。」

5.都道府県の自治事務と法定受託事務は、いずれも事務の監査請求および住民監査請求の対象となることがある。
5・・・正しい
事務監査請求は、「地方公共団体の事務全般」を対象して、有権者の50分の1の連署によって請求できます(地方自治法75条)。
一方、
住民監査請求は、「財務会計上の違法・不当な行為または不作為」を対象として、一人でも請求できます(地方自治法242条)。そして、監査請求を受けた監査委員は、下記2つについては、監査の対象外としていますが、それ以外は監査の対象です(地方自治法199条2項)。

  • 自治事務にあっては労働委員会及び収用委員会の権限に属する事務で政令で定めるもので政令で定めるもの
  • 法定受託事務にあっては国の安全を害するおそれがあることその他の事由により監査委員の監査の対象とすることが適当でないもので政令で定めるもの

よって、自治事務と法定受託事務について、上記を除いては、監査請求や住民監査請求の対象となるので、本肢は正しいです。

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[SPI name=平成30年度2018年度|行政書士試験の問題と解説]

平成30年・2018|問23|地方自治法

地方公共団体の定める条例と規則に関する次のア~オの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

ア.普通地方公共団体は、その事務に関し、条例を制定し、それに違反した者について、懲役などの刑罰の規定を設けることができる。

イ.普通地方公共団体の長は、その権限に属する事務に関し、規則を制定し、それに違反した者について、罰金などの刑罰の規定を設けることができる。

ウ.普通地方公共団体の長は、普通地方公共団体の議会による条例の制定に関する議決について、再議に付すことができる。

エ.普通地方公共団体は、公の施設の設置およびその管理に関する事項につき、その長の定める規則でこれを定めなければならない。

オ.日本国民たる普通地方公共団体の住民は、当該普通地方公共団体の条例の定めるところにより、その属する普通地方公共団体の選挙に参与する権利を有する。

  1. ア・イ
  2. ア・ウ
  3. イ・オ
  4. ウ・エ
  5. エ・オ

>解答と解説はこちら


【答え】:2

【解説】

ア.普通地方公共団体は、その事務に関し、条例を制定し、それに違反した者について、懲役などの刑罰の規定を設けることができる。
ア・・・正しい
普通地方公共団体は、法令に違反しない限りにおいて第2条第2項の事務に関し、条例を制定することができます(地方自治法14条1項)。
そして、普通地方公共団体は、法令に特別の定めがあるものを除くほか、その条例中に、条例に違反した者に対し、「2年以下の懲役若しくは禁錮」、「100万円以下の罰金、拘留、科料若しくは没収の刑」又は「5万円以下の過料」を科する旨の規定を設けることができます(地方自治法14条1項3項)。

イ.普通地方公共団体の長は、その権限に属する事務に関し、規則を制定し、それに違反した者について、罰金などの刑罰の規定を設けることができる。
イ・・・誤り
普通地方公共団体の長は、法令に違反しない限りにおいて、その権限に属する事務に関し、規則を制定することができます(地方自治法15条1項)。
そして、普通地方公共団体の長は、法令に特別の定めがあるものを除くほか、普通地方公共団体の規則中に、規則に違反した者に対し、「5万円以下の過料」を科する旨の規定を設けることができます(地方自治法15条2項)。
長は、罰金などの刑罰の規定を設けることはできません

ウ.普通地方公共団体の長は、普通地方公共団体の議会による条例の制定に関する議決について、再議に付すことができる。
ウ・・・正しい
普通地方公共団体の議会の議決について異議があるときは、当該普通地方公共団体の長は、この法律に特別の定めがあるものを除くほか、その議決の日(条例の制定若しくは改廃又は予算に関する議決については、その送付を受けた日)から10日以内に理由を示してこれを再議に付することができます(地方自治法176条1項)。

エ.普通地方公共団体は、公の施設の設置およびその管理に関する事項につき、その長の定める規則でこれを定めなければならない。
エ・・・誤り
普通地方公共団体は、法律又はこれに基づく政令に特別の定めがあるものを除くほか、公の施設の設置及びその管理に関する事項は、条例でこれを定めなければなりません(地方自治法244条の2第1項)。
「規則」で定めるという部分が誤りです。

オ.日本国民たる普通地方公共団体の住民は、当該普通地方公共団体の条例の定めるところにより、その属する普通地方公共団体の選挙に参与する権利を有する。
5・・・誤り
日本国民たる普通地方公共団体の住民は、この法律の定めるところにより、その属する普通地方公共団体の選挙に参与する権利を有すします(地方自治法11条)。当該普通地方公共団体の条例で定められていません。そもそも、憲法93条2項において
「地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。」と規定しています。
この憲法を受けて、地方自治法11条で、住民の参政権を具体的に規定します。

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[SPI name=平成30年度2018年度|行政書士試験の問題と解説]

平成30年・2018|問22|地方自治法

地方自治法の定める特別区に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

  1. 特別区は、かつては特別地方公共団体の一種とされていたが、地方自治法の改正により、現在は、市町村などと同様の普通地方公共団体とされており、その区長も、公選されている。
  2. 特別区は、独立の法人格を有する地方公共団体である点においては、指定都市に置かれる区と相違はないが、議会や公選の区長を有すること、さらには条例制定権限を有する点で後者とは異なる。
  3. 特別区は、その財源を確保するために、区民税などの地方税を賦課徴収する権限が認められており、その行政の自主的かつ計画的な運営を確保するため、他の地方公共団体から交付金を受けることを禁じられている。
  4. 特別区は、地方自治法上は、都に設けられた区をいうこととされているが、新たな法律の制定により、廃止される関係市町村における住民投票などの手続を経て、一定の要件を満たす他の道府県においても設けることが可能となった。
  5. 特別区は、原則として、市町村と同様の事務を処理することとされているが、特別区相互間の事務の調整を確保する見地から、市町村と異なり、その事務の執行について、区長等の執行機関は、知事の一般的な指揮監督に服する。

>解答と解説はこちら


【答え】:4

【解説】

1.特別区は、かつては特別地方公共団体の一種とされていたが、地方自治法の改正により、現在は、市町村などと同様の普通地方公共団体とされており、その区長も、公選されている。
1・・・妥当ではない
特別地方公共団体は、「特別区」、「地方公共団体の組合」及び「財産区」を言います(地方自治法1条の3第3項)。
つまり特別区は、特別地方公共団体です。
したがって、本肢は「特別区は普通地方公共団体とされており」が妥当ではないです。
そして、特別区の区長は、知事や市長などと同様、公選(住民の投票による選挙で選ぶ)です。
そのため、この部分は妥当です

2.特別区は、独立の法人格を有する地方公共団体である点においては、指定都市に置かれる区と相違はないが、議会や公選の区長を有すること、さらには条例制定権限を有する点で後者とは異なる。
2・・・妥当ではない
地方公共団体は、法人として扱います(地方自治法2条1項)。
そして、特別区は、「地方公共団体」の中の「特別地方公共団体」なので、「地方公共団体」です。
したがって、特別区は法人です(法人格を有する)。
一方、
指定都市に置かれる区は、行政事務の便宜上のために存在するものであり、地方自治法上の「地方公共団体」ではなく、法人ではありません(法人格を有しない)。
したがって、「指定都市に置かれる区と相違はない」という記述は妥当ではありません。
その他の問題文の解説は行書塾で解説します。
3.特別区は、その財源を確保するために、区民税などの地方税を賦課徴収する権限が認められており、その行政の自主的かつ計画的な運営を確保するため、他の地方公共団体から交付金を受けることを禁じられている。
3・・・妥当ではない
は、都と特別区及び特別区相互間の財源の均衡化を図り、並びに特別区の行政の自主的かつ計画的な運営を確保するため、政令の定めるところにより、条例で、特別区財政調整交付金(区に交付するお金)を交付します(地方自治法282条)。
つまり、特別区(東京都の各区)が他の公共団体(東京都)から交付金を受けることもあります。
よって、妥当ではありません。
4.特別区は、地方自治法上は、都に設けられた区をいうこととされているが、新たな法律の制定により、廃止される関係市町村における住民投票などの手続を経て、一定の要件を満たす他の道府県においても設けることが可能となった。
4・・・妥当
本肢は「大都市地域における特別区の設置に関する法律」に関する内容です。
この法律は、道府県の区域内において関係市町村を廃止し、特別区を設けるための手続並びに特別区と道府県の事務の分担並びに税源の配分及び財政の調整に関する意見の申出に係る措置について定めることにより、地域の実情に応じた大都市制度の特例を設けることを目的としています(大都市地域における特別区の設置に関する法律1条)
そして、関係市町村を廃止し、特別区の設置する場合、住民等の手続きが必要です(同法7条)。よって、本肢は妥当です。
5.特別区は、原則として、市町村と同様の事務を処理することとされているが、特別区相互間の事務の調整を確保する見地から、市町村と異なり、その事務の執行について、区長等の執行機関は、知事の一般的な指揮監督に服する。
5・・・妥当ではない
特別区は、原則として、市町村が処理するものとされている事務を処理することとされています(地方自治法281条2項)
都知事は、特別区に対し、都と特別区及び特別区相互の間の調整上、特別区の事務の処理について、その処理の基準を示す等必要な助言又は勧告をすることができますが(地方自治法281条の6)、区長等の執行機関は、知事の一般的な指揮監督に服するわけではありません。 言い換えると、区長等は、知事が下で働きません。

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