最判昭55.11.25:「運転免許停止処分」と「訴えの利益」

論点

  1. 運転免許停止処分後、無違反・無処分で1年を経過した場合、当該処分の取消訴訟において、訴えの利益は認められるか?

事案

自動車運転免許保持者Xは、Y県警本部長から、自動車運転免許の効力を30日停止する旨の処分(免許停止処分:本件原処分)を受けたが、講習受講により免許の効力停止期間を29日短縮した。

そして、Xは、本件原処分の日から1年間無違反・無処分で経過した。

Xは、本件原処分を不服として、Y県公安委員会に対し審査請求をしたが、Y県公安委員会は審査請求を棄却する裁決をしたため、Xは、審査手続きの瑕疵を主張して、本件裁決の取消訴訟を提起した。

判決

運転免許停止処分後、無違反・無処分で1年を経過した場合、当該処分の取消訴訟において、訴えの利益は認められるか?

訴えの利益は認められない

本件事実によると本件原処分の効果は右処分の日一日の期間の経過によりなくなったものである。(講習を受けたことにより29日短縮されたから)

また、本件原処分の日から一年を経過した日の翌日以降、Xが本件原処分を理由に道路交通法上不利益を受ける虞(理由)がなくなったことはもとより、他に本件原処分を理由にXを不利益に取り扱いうることを認めた法令の規定はない

したがって、行政事件訴訟法9条の規定の適用上、Xは、本件原処分及び本件裁決の取消によつて回復すべき法律上の利益を有しないというべきである。

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