最判昭48.10.18:建築制限付きの土地を収用した場合の補償額

論点

  1. 建築制限付きの土地を収用した場合の補償額について、建築制限を斟酌(しんしゃく)するか?

斟酌:条件などを考え合わせて処理する

事案

Xの所有する土地は、内閣総理大臣の「都市計画街路」の決定によって、計画街路に決定された。

その後、起業者である鳥取県知事Yは、鳥取県収用委員会に対し、本件土地の損失補償についての裁決申請をし、Xの損失補償額を約60万円とした。

これに対しXは、補償額が近傍類地の売買価格に比べて低すぎるとして、Yに対して、不足分の請求をした。

判決

建築制限付きの土地を収用した場合の補償額について、建築制限を斟酌(しんしゃく)するか?

→斟酌しない

都市計画事業決定がなされたときには、都市計画法等に定める建築制限が課せられているが、土地収用における損失補償の趣旨からすれば、被収用者Xに対し土地収用法72条によつて補償すべき相当な価格とは、被収用地が、都市計画事業の決定による建築制限を受けていないとすれば、裁決時において有するであろうと認められる価格をいうと解すべきである

右のような建築制限の存する土地の収用による損失を決定するにあたり、当該土地をかかる建築制限を受けた土地として評価算定すれば足りると解するのは、前記土地収用法の規定の立法趣旨に反し、

被収用者Xに対し不当に低い額の補償を強いることになる。

さらに、右土地の近傍にある土地の所有者に比しても著しく不平等な結果を招くことになり、到底許されないものというべきである。

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