最判平18.7.14:水道料金を改訂する条例制定行為

論点

  1. 水道料金を規定する条例の制定行為は、抗告訴訟の対象となる行政処分にあたるか?

事案

Xらは、山梨県旧高根町Yに別荘を所有しており、Yとの間で給水契約を締結していた。

その後、旧高根町簡易水道事業給水条例が改訂されると、住民基本台帳に登録していないXらの水道料金が大幅に値上げされ、基本料金について別訴所有者以外の給水契約者との間に差が生じた。

つまり、基本料金について、地元住民は安く、別荘所有者は高いということ。

これに対して、Xらは、本件水道料金の定めが別荘給水契約者を不当に差別するのもであると主張し、本件定めについて、行政事件訴訟法3条4項の無効等確認の訴えを提起した。

判決

水道料金を規定する条例の制定行為は、抗告訴訟の対象となる行政処分にあたるか?

→当たらない

抗告訴訟の対象となる行政処分とは、行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為をいうものである。

本件改正条例は、旧高根町が営む簡易水道事業の水道料金を一般的に改定するものであって、そもそも限られた特定の者に対してのみ適用されるものではない

したがって、本件改正条例の制定行為をもって行政庁が法の執行として行う処分と実質的に同視することはできないから、本件改正条例の制定行為は、抗告訴訟の対象となる行政処分には当たらなというべきである。

判決文の全文はこちら>>

行政書士におけるポイント

  • 抗告訴訟の対象となる行政処分とは、①公権力であること、②個別・具体的な法的地位の変動(特定の者に対して権利義務が生じる)の2つを満たす必要がある。
    本件、「限られた特定の者を対象としていない」ことから、②個別・具体的という要件を満たさないので、抗告訴訟訴訟の対象となる行政処分には当たらない
    つまり、水道料金の改定条例の制定行為は、処分性を有さない、ということ。

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