最判平11.11.19:公文書の非公開決定における理由の差替え

論点

  1. 処分理由の付記が要求されている処分について訴訟で争われた際に、行政庁が当初の処分理由以外の理由を追加して主張できるか?

事案

神奈川県逗子市の住民Xは、逗子市情報公開条例に基づき、逗子市監査委員Yに対して、住民監査請求に関する記録の公開を請求した。

これに対して、Yは、対象文書中に関係人の事情聴取記録に、非公開事由があるという理由を付記して、公開しない旨の決定をした。

そこで、Xは、本件処分の取消訴訟を提起した。

そして、Yは、訴訟の段階で、公開しない旨の理由について、別の理由を追加した。

判決

処分理由の付記が要求されている処分について訴訟で争われた際に、行政庁が当初の処分理由以外の理由を追加して主張できるか?

認められる

本件条例において、実施機関Yが公開請求に係る情報の閲覧、視聴取及びその写しの交付を拒むときは、非公開決定の通知に併せてその理由を通知しなければならないと規定している理由は、非公開の理由の有無について実施機関の判断の慎重と公正妥当とを担保してそのし意を抑制するとともに、非公開の理由を公開請求者に知らせることによって、その不服申立てに便宜を与えることを目的としていると解すべきである。

そして、そのような目的は非公開の理由を具体的に記載して通知させること自体をもってひとまず実現される。

そうだとすれば、本件条例の規定における理由通知の定めが、右の趣旨を超えて、一たび通知書に理由を付記した以上、実施機関Yが「当該理由以外の理由を非公開決定処分の取消訴訟において主張することを許さないもの」とする趣旨をも含むと解すべき根拠はないとみるのが相当である。

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