平成30年・2018|問22|地方自治法

地方自治法の定める特別区に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

  1. 特別区は、かつては特別地方公共団体の一種とされていたが、地方自治法の改正により、現在は、市町村などと同様の普通地方公共団体とされており、その区長も、公選されている。
  2. 特別区は、独立の法人格を有する地方公共団体である点においては、指定都市に置かれる区と相違はないが、議会や公選の区長を有すること、さらには条例制定権限を有する点で後者とは異なる。
  3. 特別区は、その財源を確保するために、区民税などの地方税を賦課徴収する権限が認められており、その行政の自主的かつ計画的な運営を確保するため、他の地方公共団体から交付金を受けることを禁じられている。
  4. 特別区は、地方自治法上は、都に設けられた区をいうこととされているが、新たな法律の制定により、廃止される関係市町村における住民投票などの手続を経て、一定の要件を満たす他の道府県においても設けることが可能となった。
  5. 特別区は、原則として、市町村と同様の事務を処理することとされているが、特別区相互間の事務の調整を確保する見地から、市町村と異なり、その事務の執行について、区長等の執行機関は、知事の一般的な指揮監督に服する。

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【答え】:4

【解説】

1.特別区は、かつては特別地方公共団体の一種とされていたが、地方自治法の改正により、現在は、市町村などと同様の普通地方公共団体とされており、その区長も、公選されている。
1・・・妥当ではない
特別地方公共団体は、「特別区」、「地方公共団体の組合」及び「財産区」を言います(地方自治法1条の3第3項)。
つまり特別区は、特別地方公共団体です。
したがって、本肢は「特別区は普通地方公共団体とされており」が妥当ではないです。
そして、特別区の区長は、知事や市長などと同様、公選(住民の投票による選挙で選ぶ)です。
そのため、この部分は妥当です

2.特別区は、独立の法人格を有する地方公共団体である点においては、指定都市に置かれる区と相違はないが、議会や公選の区長を有すること、さらには条例制定権限を有する点で後者とは異なる。
2・・・妥当ではない
地方公共団体は、法人として扱います(地方自治法2条1項)。
そして、特別区は、「地方公共団体」の中の「特別地方公共団体」なので、「地方公共団体」です。
したがって、特別区は法人です(法人格を有する)。
一方、
指定都市に置かれる区は、行政事務の便宜上のために存在するものであり、地方自治法上の「地方公共団体」ではなく、法人ではありません(法人格を有しない)。
したがって、「指定都市に置かれる区と相違はない」という記述は妥当ではありません。
その他の問題文の解説は行書塾で解説します。
3.特別区は、その財源を確保するために、区民税などの地方税を賦課徴収する権限が認められており、その行政の自主的かつ計画的な運営を確保するため、他の地方公共団体から交付金を受けることを禁じられている。
3・・・妥当ではない
は、都と特別区及び特別区相互間の財源の均衡化を図り、並びに特別区の行政の自主的かつ計画的な運営を確保するため、政令の定めるところにより、条例で、特別区財政調整交付金(区に交付するお金)を交付します(地方自治法282条)。
つまり、特別区(東京都の各区)が他の公共団体(東京都)から交付金を受けることもあります。
よって、妥当ではありません。
4.特別区は、地方自治法上は、都に設けられた区をいうこととされているが、新たな法律の制定により、廃止される関係市町村における住民投票などの手続を経て、一定の要件を満たす他の道府県においても設けることが可能となった。
4・・・妥当
本肢は「大都市地域における特別区の設置に関する法律」に関する内容です。
この法律は、道府県の区域内において関係市町村を廃止し、特別区を設けるための手続並びに特別区と道府県の事務の分担並びに税源の配分及び財政の調整に関する意見の申出に係る措置について定めることにより、地域の実情に応じた大都市制度の特例を設けることを目的としています(大都市地域における特別区の設置に関する法律1条)
そして、関係市町村を廃止し、特別区の設置する場合、住民等の手続きが必要です(同法7条)。よって、本肢は妥当です。
5.特別区は、原則として、市町村と同様の事務を処理することとされているが、特別区相互間の事務の調整を確保する見地から、市町村と異なり、その事務の執行について、区長等の執行機関は、知事の一般的な指揮監督に服する。
5・・・妥当ではない
特別区は、原則として、市町村が処理するものとされている事務を処理することとされています(地方自治法281条2項)
都知事は、特別区に対し、都と特別区及び特別区相互の間の調整上、特別区の事務の処理について、その処理の基準を示す等必要な助言又は勧告をすることができますが(地方自治法281条の6)、区長等の執行機関は、知事の一般的な指揮監督に服するわけではありません。 言い換えると、区長等は、知事が下で働きません。

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