平成29年・2017|問3|憲法

人権の享有主体性をめぐる最高裁判所の判例に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。

  1. わが国の政治的意思決定またはその実施に影響を及ぼすなど、外国人の地位に照らして認めるのが相当でないと解されるものを除き、外国人にも政治活動の自由の保障が及ぶ。
  2. 会社は、自然人と同様、国や政党の特定の政策を支持、推進し、または反対するなどの政治的行為をなす自由を有する。
  3. 公務員は政治的行為を制約されているが、処罰対象となり得る政治的行為は、公務員としての職務遂行の政治的中立性を害するおそれが、実質的に認められるものに限られる。
  4. 憲法上の象徴としての天皇には民事裁判権は及ばないが、私人としての天皇については当然に民事裁判権が及ぶ。
  5. 憲法が保障する教育を受ける権利の背後には、子どもは、その学習要求を充足するための教育を施すことを、大人一般に対して要求する権利を有する、との観念がある。

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【答え】: 4

【解説】

1.わが国の政治的意思決定またはその実施に影響を及ぼすなど、外国人の地位に照らして認めるのが相当でないと解されるものを除き、外国人にも政治活動の自由の保障が及ぶ。
1・・・妥当
外国人の政治活動の自由が問題となった判例で「外国人の政治活動の自由はわが国の政治的意思決定又はその実施に影響を及ぼす活動等を除き保障される」と判示しています(最大判昭53.10.4:マクリーン事件)。
2.会社は、自然人と同様、国や政党の特定の政策を支持、推進し、または反対するなどの政治的行為をなす自由を有する。
2・・・妥当
判例で「会社も、自然人と同じように、政治的行為をする自由がある」旨のと判示しています(最大判昭45.6.24:八幡製鉄事件)。
3.公務員は政治的行為を制約されているが、処罰対象となり得る政治的行為は、公務員としての職務遂行の政治的中立性を害するおそれが、実質的に認められるものに限られる。
3・・・妥当
判例では、公務員が処罰される対象になる政治的行為は、政治的に中立でなくなる可能性が「実質的に」(実際に)あるものに限られる、と判示しています(最判平24.12.7:堀越事件)。
4.憲法上の象徴としての天皇には民事裁判権は及ばないが、私人としての天皇については当然に民事裁判権が及ぶ。
4・・・妥当ではない
判例では、天皇には民事裁判権が及ばない(民事訴訟の原告や被告にはならない)としています。(最判平元.11.20)
5.憲法が保障する教育を受ける権利の背後には、子どもは、その学習要求を充足するための教育を施すことを、大人一般に対して要求する権利を有する、との観念がある。
5・・・妥当
判例では、「みずから学習することのできない子どもは、その学習要求を充足するための教育を自己に施すことを大人一般に対して要求する権利を有するとの観念が存在していると考えられる。」と判示しています(最大判昭51.5.21:旭川学力テスト事件全文参照)。

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