令和7年度の行政書士試験対策の個別指導開講

会期の種類、議決の方法(定足数と表決数)

会期の種類

会期とは、国会の活動期間で、一年中国会を開いているわけではありません。一定の限られた期間のみ国会は開かれています。

そして、会期には、下記4つがあります。

  1. 毎年1回定期に召集される常会
  2. 必要に応じて臨時的に召集される臨時会
  3. 衆議院解散後、総選挙が行われた後に召集される特別会
  4. 衆議院が解散すると同時に参議院は閉会となるが、国に緊急の必要があるとき、参議院のみ召集される緊急集会

常会

憲法第52条
国会の常会は、毎年一回これを召集する。

常会は、一般的に通常国会と呼ばれることが多いです。そして、国会法で「毎年1月に召集される」ことと、「会期は150日」であることが規定されています。

臨時会

憲法第53条
内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。

常会は上記の通り、1年のうち150日しか行いません。閉会した後も、国会の活動を必要とする自体が生じることもあります。そのような場合に、臨時会を行います。臨時会は、衆議院もしくは参議院のいずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があった場合、内閣は臨時会の召集決定をしなければなりません。

特別会

憲法第54条
衆議院が解散されたときは、解散の日から四十日以内に、衆議院議員の総選挙を行ひ、その選挙の日から三十日以内に、国会を召集しなければならない。

衆議院が解散すると、解散の日から40日以内に、衆議院議員の総選挙が行われます。そして、その選挙の日に新しい議員が当選するのですが、その選挙の日から30日以内に国会を召集しなければなりません。ここで召集される国会が特別会です。

任期満了(4年経過)に伴う衆議院の総選挙後に召集される国会は臨時会です。


緊急集会

憲法第54条
2 衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。但し、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる。
3 前項但書の緊急集会において採られた措置は、臨時のものであつて、次の国会開会の後十日以内に、衆議院の同意がない場合には、その効力を失ふ。

まず、衆議院が解散すると、同時に参議院は閉会となります。つまり、特別会が召集されるまで、国会は活動停止状態です。その間に、戦争になったり、大規模災害が起こったりして、急遽国会を開かないといけない場合、衆議院は解散しているので、衆議院議員は一人もいません。そのため、参議院が国会の役割を代行して、国会を開きます。これが緊急集会です。

そして、緊急集会を召集するのは、内閣です。天皇ではありません。

また、臨時会のように議員の召集要求も不要です。

緊急集会で議決されたことは、あくまでも臨時的な措置にすぎないので、その後、衆議院の同意を得られなければ、その効力を失います

会議の原則(定足数と表決数)

定足数

憲法第56条
両議院は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。

定足数とは、会議を開いて、議決するために必要な、最小限度の出席人数です。

議事を開いて(審議して)、議決をするためには、衆議院議員と参議院議員の合計人数の3分の1以上の出席が必要です。これに満たない場合、議事を開くことができません(審議することができない)。

表決数

表決数とは、意思決定を行う上で必要な賛成数です。原則、表決は、出席議員の過半数で決めます。総議員の過半数ではないので注意しましょう!

ただし、憲法に特別の定めがある場合(例外)もあります。

資格訴訟の裁判で
議員議席を失われること
出席議員の3分の2以上の議決
秘密会の開催 出席議員の3分の2以上の議決
議員の除名 出席議員の3分の2以上の議決
衆議院の法律案の再可決 出席議員の3分の2以上の可決
憲法改正の発議 総議員の3分の2以上の賛成
各議院の表決を
会議録へ記載すること
出席議員の5分の1以上の賛成
臨時会の召集 いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求

資格争訟裁判とは?

衆議院議員や参議院議員が、国会議員となる資格を有しているか(例えば、公務員と兼務していないか)を審議する裁判です。ここで、国会議員の議席を失われるためには、出席議員の3分の2以上の賛成が必要です。

秘密会とは?

衆議院も参議院も、会議は公開が原則です。しかし、会議を公開せずに、秘密で会議を行うことも可能です。この秘密会にするために必要な議決が「出席議員の3分の2以上の議決」です。実際、国会で秘密会を開催した事例はありません。

議員除名とは?

「資格争訟裁判」では、年齢が25歳未満であったり、国籍が外国籍であったり、他の公務員と兼職していたりといった、本来なら議員として選ばれるはずもない者が議員になったような場合の話です。一方、「議員除名」は、議員が非行を行った場合に、その議員に対して懲罰として行うことです。議員除名も資格争訟裁判同様、出席議員の3分の2以上の議決が必要です。

衆議院の法律案の再可決とは?

法律案については、衆議院で可決した後に、参議院で否決されると、衆議院で再度審議します。ここで、出席議員の3分の2以上の多数で、再度可決すると、無事、法律となります。

憲法改正の発議とは?

国会議員(衆議院100人以上、参議院50人以上)の賛成により憲法改正案の原案が提出され、衆参各議院においてそれぞれ憲法審査会で審査されたのちに、本会議で審議します。

両院それぞれの本会議にて 3分の2以上の賛成で可決した場合、国会が国民に対して、この改正案でどうですか?と提案します。これが「憲法改正の発議」です。

この発議後60日から180日の間に国民投票を行い議決します。

憲法改正案に対する賛成の投票の数が、投票総数(賛成の投票数と反対の投票数を合計した数)の2分の1を超えた場合は、国民の承認があったものとなり、憲法が改正されます。

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