行政書士の試験でよく出題される部分です。なので、しっかり一つ一つを覚えていきましょう!

行政事件訴訟法は、条文だけでなく、判例も頻出です。そのため、条文を解説するというよりは、キーワードごとに解説していきます!

取消訴訟の訴訟要件

訴訟要件とは、訴えが適法であるための要件を言います。言い換えると、訴訟要件を満たさない場合、不適法として、却下されます。(門前払いされる)

そして、取消訴訟の訴訟要件は下記6つです。

  1. 処分性
  2. 原告適格
  3. (狭義の)訴えの利益
  4. 被告適格
  5. 出訴期間
  6. 管轄裁判所

処分性

処分性とは、取消訴訟の対象となる行政庁の処分とはどんな処分か?ということです。

取消訴訟の対象となる行政庁の処分であれば、「処分性あり」として処分性の要件を満たします。

一方、取消訴訟の対象外の行政庁の処分であれば、「処分性なし」として、処分性の要件を満たさず、却下判決が下されます。

取消訴訟の対象となるのは「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」を指します。

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原告適格

原告適格とは、取消訴訟を提起した者が「処分又は裁決の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者」であるかどうか?ということです。

法律上の利益を有していれば、原告適格の要件を満たします。

一方、法律上の利益を有していないのであれば、原告適格の要件を満たさず、却下判決が下されます。

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訴えの利益(狭義)

狭義の訴えの利益は、取消判決によって、現実に原告の権利救済を達することができるかどうかということです。

取消判決によって、侵害されていた権利や地位が回復される場合、訴えの利益があるとして、訴えの利益の要件を満たします。

一方、取消判決によって、侵害されていた権利や地位が回復されない場合、訴えの利益がないとして、却下判決が下されます。

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被告適格

被告適格とは、誰を被告として、取消訴訟を提起するのか?ということです。

被告適格となる行政庁を被告として、取消訴訟を提起した場合、被告適格の要件を満たします。

一方、被告適格に該当しない行政庁を被告として、取消訴訟を提起した場合、被告適格を満たさないため、却下判決が下されます。

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出訴期間

出訴期間とは、取消訴訟を提起できる期間のことです。

出訴期間内であれば、要件を満たしますが、出訴期間を経過した後に取消訴訟を提起しても、却下判決が下されます。

取消訴訟の出訴期間

下記いずれかの期間を経過すると、取消訴訟を提起することができなくなります。

主観的期間 処分又は裁決があったことを知った日から6か月を経過したとき
例外として正当な理由があるときは、6か月経過後でも取消訴訟を行える
客観的期間 処分または裁決の日から1年を経過したとき
例外として正当な理由があるときは、6か月経過後でも取消訴訟を行える
行政事件 行政事件訴訟法

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管轄裁判所

管轄裁判所とは、取消訴訟を提起する場合、どこの裁判所に対して、訴訟を提起すればよいかということです。

管轄裁判所に取消訴訟を提起すれば、管轄裁判所の要件を満たし、管轄裁判所以外の裁判所に対して訴えを提起した場合、却下判決が下されます。

原則 被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所」または「処分・裁決をした行政庁の所在地を管轄する裁判所」
例外 国が被告となる場合、原告の普通裁判所籍の所在地を管轄する高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所(特定管轄裁判所

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