【問1】民法
買戻特約付売買の買主が目的不動産について買主の債権者のために抵当権を設定し、その旨の登記がなされたところ、その後、売主が買戻権を行使した場合、買主が売主に対して有する買戻代金債権につき、上記抵当権者は物上代位権を行使することができる。
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【解答】
〇
売主A、買主B、買主の債権者Cとします。AがBに売却し、その後、AがBから買い戻すといった流れです。
判例は、
「買戻し特約付き売買の買主Bから目的不動産につき抵当権の設定を受けた者Cは、抵当権に基づく物上代位権の行使として、買戻し権の行使により買主が取得した買戻し債権(買い戻す際に、AがBに支払う代金)を差し押さえることができる」
としている(最判平11.11.30)。
よって、本肢は妥当です。
この問題は理解すべき部分が多いので短期講座で解説します!
【問2】国家賠償法
飲食店の中でナイフで人を脅していた者が警察署まで連れてこられた後、帰宅途中に所持していたナイフで他人の身体・生命に危害を加えた場合、対応した警察官が当該ナイフを提出させて一時保管の措置をとるべき状況に至っていたとしても、当該措置には裁量の余地が認められるから、かかる措置をとらなかったことにつき国家賠償法1条1項の違法性は認められない。
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【解答】
×
判例によると、
「警察官が、同人(ナイフを持っていた人)に、本件ナイフを携帯したまま帰宅することを許せば、
帰宅途中当該ナイフで他人の生命又は身体に危害を及ぼすおそれが著しい状況にあったというべきである。
よって、同人に帰宅を許す以上少なくとも、銃砲刀剣類所持等取締法第24条の2第2項の規定により本件ナイフを提出させて一時保管の措置をとるべき義務があった。
そのため当該警察官が、上記措置をとらなかったことは、その職務上の義務に違背し違法であるというほかはない」
と判示しています。
したがって、本肢は誤り。
【問3】会社法
取締役会設置会社であり、種類株式発行会社でない株式会社(指名委員会等設置会社を除く。)が行う株式の分割によって定款所定の発行可能株式総数を超過することになる場合は、あらかじめ株主総会の決議により発行可能株式総数を変更するのでなければ、このような株式の分割をすることはできない。
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【解答】
×
発行済株式総数は、発行可能株式総数を超えることはできません。
しかし、株式分割の場合は、例外的に、「株主総会の決議による発行可能株式総数の変更」をしなくても、行えます。
例えば、
当初の発行可能株式総数300株で、発行済株式総数が50株だったとします。
そして、発行済株式について、1株を10株に株式分割をするとなると、発行済株式総数は500株に増えます。
しかし、この場合、取締役会決議で当初の発行可能株式総数300株を10倍にすることは許されます。
そのため、本肢の「株主総会の決議により発行可能株式総数を変更するのでなければ、このような株式の分割をすることはできない」は誤りです。
■なぜ、取締役会決議で足りるのか?
この理由については、短期講座で解説いたします!
理解をして、しっかり頭に定着していきましょう!
丸暗記だと、頭に定着せず、「覚えて→忘れて・・・」の繰り返しになります。
そうならないために、理解学習を行う必要があります!