【問1】民法
代理人が本人になりすまして、直接本人の名において権限外の行為を行った場合に、相手方においてその代理人が本人自身であると信じ、かつ、そのように信じたことにつき正当な理由がある場合でも、権限外の行為の表見代理の規定が類推される余地はない。
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【解答】
×
判例によると、
「代理人が直接本人の名において権限外の行為をした場合において、相手方がその行為を本人自身の行為と信じたときは、そのように信じたことについて正当な理由があるかぎり、民法110条(権限外の行為の表見代理)の規定を類推して、本人はその責に任ずるものと解するのが相当である。」としています(最判昭44.12.19)。
本問は、上記判例の内容にあたるので、相手方が善意無過失の場合、権限外の行為の表見代理の規定が類推されます。
よって、本肢は誤りです。
【問2】行政事件訴訟法
事情判決においては、公共の利益に著しい影響を与えるため、処分の取消しは認められないものの、この判決によって、損害の賠償や防止の措置が命じられる。
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【解答】
×
事情判決については、「処分または裁決が違法」であることの宣言を受けることはできます。
しかし、判決の中で、「損害の賠償や防止の措置が命じられる」ことはありません。
損害賠償を求めるのであれば、別途、国家賠償請求をする必要があります。
【問3】会社法
指名委員会等設置会社において、報酬委員会は取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定に関する方針を定めなければならず、当該方針に従って、報酬委員会は取締役の個人別の報酬等の内容を決定する。
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【解答】
〇
指名委員会等設置会社の一つの機関である「報酬委員会」は、執行役等(取締役含む)の個人別の報酬等の内容に係る決定に関する方針を定めなければなりません(会社法409条1項)。
そして上記方針にしたがって、取締役の個人別の報酬の内容を決定します(会社法409条2項)。
よって正しいです。
