民法37【記述対策】

【問】
土地の所有者Aは、自己所有の土地をBに売却し、Aは代金を受領し、当該土地をBに引渡した。その後、AB間の合意により、当該土地の売買契約は解除された。この場合、A及びBは具体的に何を返還しなければならないか。40字程度で記述しなさい。なお、末尾は「を返還しなければならない」とし、文字数に算入しないものとする。

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【問】
土地の所有者Aは、自己所有の土地をBに売却し、Aは代金を受領し、当該土地をBに引渡した。その後、AB間の合意により、当該土地の売買契約は解除された。この場合、A及びBは具体的に何を返還しなければならないか。40字程度で記述しなさい。なお、末尾は「を返還しなければならない」とし、文字数に算入しないものとする。

【解答例】
  • Aは、受領の時からの利息を付して代金を、Bは、受領の時以後に生じた果実および土地(40字)
    (を返還しなければならない。)
  • Aは、受領の時からの利息を付して代金を、Bは、受領の時以後に生じた地代および土地(40字)
    (を返還しなければならない。)
  • Aは、受領の時からの利息を付して代金を、Bは、受領の時以後に生じた使用料および土地(41字)
    (を返還しなければならない。)

【問題文の状況と質問内容】

売主Aが、自己所有の土地を買主Bに売却した。
売主Aは、買主Bから代金を受領し、
買主Bは、売主Aから土地の引渡しをうけた。
その後、売買契約が解除となった。

そして、A及びBは具体的に何を返還しなければならないか。ということなので、「原状回復義務」についての質問です。

【使うルール】

    • 当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。(民法545条1項本文:解除の効果)。
    • 1項本文の場合において、金銭を返還するときは、その受領の時から利息を付さなければならない(民法545条2項)。
    • 第1項本文の場合において、金銭以外の物を返還するときは、その受領の時以後に生じた果実をも返還しなければならない(民法545条3項)。

売主Aは、買主Bに対して、「代金」と「代金受領時からの利息」を返還しならければならず
買主Bは、売主Aに対して、「土地」と「受領時以後の果実(使用料・地代)」を返還しなければなりません。

これを40字にまとめるためには「~に対して」という文言は省略して、下記のようにまとめます。

  • Aは、受領の時からの利息を付して代金を、Bは、受領の時以後に生じた果実および土地(40字)
    (を返還しなければならない。)
  • Aは、受領の時からの利息を付して代金を、Bは、受領の時以後に生じた地代および土地(40字)
    (を返還しなければならない。)
  • Aは、受領の時からの利息を付して代金を、Bは、受領の時以後に生じた使用料および土地(41字)
    (を返還しなければならない。)

【配点】

Aは、「受領の時からの利息」を付して「代金」を返還しなければならない(10点)・・・「受領時からの利息」と「代金」のいずれか一方の場合、5点。
「受領時からの」が抜けていて「利息」と記述している場合、-2点。

Bは、「受領の時以後に生じた果実」および「土地」を返還しなければならない(10点)・・・「受領の時以後に生じた果実」「土地」のいずれか一方の場合、5点。
「受領の時以後」が抜けていて「果実」と記述している場合、-2点。
「果実」は、「使用料」や「利用料」、「地代」でもよい。

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