民法18【記述対策】

【問】
Aは、Bから100万円を借り入れた。保証人等でないAの父Cは、Bに対して、Aの代わりに弁済しようと考えている。
Bは、Cからの弁済を拒んでおらず、またAB間で第三者の弁済を禁止又は制限する旨の特約はない。この場合、CがBに対して、Aの代わりに弁済をすることができないのはどのようなときか、Cが弁済できない理由を含めて40字程度で記述しなさい。

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【問】
Aは、Bから100万円を借り入れた。保証人等でないAの父Cは、Bに対して、Aの代わりに弁済しようと考えている。
Bは、Cからの弁済を拒んでおらず、またAB間で第三者の弁済を禁止又は制限する旨の特約はない。この場合、CがBに対して、Aの代わりに弁済をすることができないのはどのようなときか、Cが弁済できない理由を含めて40字程度で記述しなさい。

【解答例】

Cは、弁済をするについて正当な利益を有する者でない第三者なので、Aの意思に反するとき。(43字)

【問題文の状況】

A:債務者
B:債権者
C:第三者(Aの父・保証人等ではない)

・債権者Bは、第三者Cからの弁済を拒んでいない。
・AB間で第三者の弁済を禁止又は制限する旨の特約はない。

【質問内容】

①第三者Cが、債権者Bに対して、第三者弁済をすることができないのはどのようなときか?
弁済できない理由は?

【使うルール】

債務の弁済は、第三者もすることができる(民法474条1項)。
弁済をするについて正当な利益を有する者でない第三者は、債務者の意思に反して弁済をすることができない。ただし、債務者の意思に反することを債権者が知らなかったときは、この限りでない(民法474条2項)。
2項に規定する第三者は、債権者の意思に反して弁済をすることができない。ただし、その第三者が債務者の委託を受けて弁済をする場合において、そのことを債権者が知っていたときは、この限りでない(民法474条3項)。
1~3項の規定は、その債務の性質が第三者の弁済を許さないとき、又は当事者が第三者の弁済を禁止し、若しくは制限する旨の意思表示をしたときは、適用しない(民法474条4項)。

今回は質問内容の①②を同時に考えます。

1項の通り、第三者弁済は原則できます。
しかし、2項の通り、「弁済をするについて正当な利益を有する者でない第三者」は、債務者Aの意思に反して弁済をすることができません

本問はこの部分の出題です。

父Cは、保証人等(物上保証人でもない)ではありません。

そのため、Bの貸金債務の弁済について「正当な利益を有する者ではない」です。

したがって、債務者Aの意思に反して、第三者弁済をすることができません。

「債務者Aの意思に反する」とは、債務者Aが「弁済しないで!」と主張している場合です。

これを質問内容に従ってまとめると

Cは、弁済をするについて正当な利益を有する者でない第三者なので、Aの意思に反するとき。(43字)

となります。

【補足】

2項のただし書き」は、父Cは、債務者Aの意思に反して弁済をした場合において、債権者Bが「債務者Aの意思に反することを」知らなかったときは、第三者弁済は有効となることが規定されています。
本問は、第三者弁済をすることができない場合について問われているので、この点は考慮しなくてもよいです。

3項本文」は、父Cは、債権者Bの意思に反して弁済をすることができない。と規定しており、これは、例えば、父Cが反社会的勢力に属している疑いがあるとき等の場合、債権者から第三者弁済を拒否できるということです。

本問は、「Bは、Cからの弁済を拒んでいない」と書いてあるので、これは、3項を理由に「第三者弁済ができない」ということを排除していることが分かります。
この記述がないと、3項も答えとなってきます。

3項ただし書き」は、第三者弁済ができる場合の話なので、本問の答えとはなりません。

4項」は、第三者弁済ができない場合を規定していますが、これも問題文の「AB間で第三者の弁済を禁止又は制限する旨の特約はない。」の部分で排除しています。
この記述がないと、4項も答えとなってきます。

【配点】

弁済をするについて(4点)
正当な利益を有する者でない第三者(8点)
Aの意思に反するとき(8点)

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