民法19【記述対策】

【問】
Aは、A所有の甲土地にBから借り入れた1,000万円の担保として抵当権(「甲抵当権」という)を設定した。その後、AがCから500万円を借り入れ、これを担保するために甲土地にCを抵当権者とする第2順位の抵当権を設定し、さらに一方、Bは、甲抵当権を担保として、Dから1,000万円を借り入れた。この場合、どうすれば、BとCの抵当権の順位を変更することができるか。効力の発生要件も含めて40字程度で記述しなさい。

>解答と解説はこちら

【問】
Aは、A所有の甲土地にBから借り入れた1,000万円の担保として抵当権(「甲抵当権」という)を設定した。その後、AがCから500万円を借り入れ、これを担保するために甲土地にCを抵当権者とする第2順位の抵当権を設定し、さらに一方、Bは、甲抵当権を担保として、Dから1,000万円を借り入れた。この場合、どうすれば、BとCの抵当権の順位を変更することができるか。効力の発生要件も含めて40字程度で記述しなさい。

【解答例】

BとCが合意をし、かつ、Dの承諾を得た上で、抵当権の順位変更の登記をしなければならない。(43字)

【問題文の状況】

債務者:A
1番抵当権者:B
2番抵当権者:C
1番抵当権の転抵当権者:D

【質問内容】

①BとCの抵当権の順位を変更するためにはどうすればよいか?
効力発生要件はどのような要件か?

【使うルール】

  • 抵当権の順位は、各抵当権者の合意によって変更することができる。ただし、利害関係を有する者があるときは、その承諾を得なければならない(民法374条1項:抵当権の順位の変更)。
  • 1項の規定による順位の変更は、その登記をしなければ、その効力を生じない(民法374条2項)。

①BとCの抵当権の順位を変更するためにはどうすればよいか?

抵当権の順位変更は、各抵当権者の合意が必要ということなので、「1番抵当権者Bと2番抵当権者C」の「合意」が必要です。

次に、「利害関係を有する者」とは、本問では、転抵当権者Dです。
Dは、1番抵当権(甲抵当権)の担保権者です。そのため、勝手に順位変更されて、甲抵当権が後順位になってしまったら、優先弁済権に影響します。
そのため、抵当権の順位変更をする場合、「利害関係を有する者D」の「承諾」が必要となります。

②効力発生要件はどのような要件か?

民法374条2項の内容の通り、順位変更の「登記」が必要です。

これをまとめると下記のようになります。

BとCが合意をし、かつ、Dの承諾を得た上で、抵当権の順位変更の登記をしなければならない。(43字)

【配点】

BとCの合意(7点)
Dの承諾(7点)
抵当権の順位変更の登記(6点)

>>次の問題へ

まだ、勉強時間を無駄にしますか?行書塾の個別指導はこちら