民法16【記述対策】

【問】
Aは、Bから建物を賃借し、Bに3,000万円の敷金を預託した。その後、Aは、Bの承諾を得て、この敷金返還請求権につき、Cからの借入金債務を担保するために、Cのために適法に質権を設定した。
Cがこの質権設定を、B以外の第三者に対して対抗するための要件を、40字程度で記述しなさい。

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【問】
Aは、Bから建物を賃借し、Bに3,000万円の敷金を預託した。その後、Aは、Bの承諾を得て、この敷金返還請求権につき、Cからの借入金債務を担保するために、Cのために適法に質権を設定した。
Cがこの質権設定を、B以外の第三者に対して対抗するための要件を、40字程度で記述しなさい。

【解答例】

確定日付のある証書によって、Bにその質権の設定を通知し、又はBがこれを承諾すること(41字)

【問題文の状況】

A:建物賃借人・敷金返還請求権の債権者・質権設定者
B:建物賃貸人・敷金返還請求権の債務者
C:質権者
質権の目的物:敷金返還請求権

【質問内容】

質権者Cが、質権設定を、「第三者」に対抗するための要件を質問されています。

質権は、「質権の目的物(敷金返還請求権)」が、質権者に移転します。
そのため、「債権譲渡(債権が、債権者に移転する)」によく似ているので、債権譲渡のルールが使われます

【使うルール】

債権を目的とする質権の設定(現に発生していない債権を目的とするものを含む。)は、第467条の規定に従い、第三債務者にその質権の設定を通知し、又は第三債務者がこれを承諾しなければ、これをもって第三債務者その他の第三者に対抗することができない(民法364条:債権を目的とする質権の対抗要件)。

債権の譲渡(現に発生していない債権の譲渡を含む。)は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない(民法467条1項:債権譲渡の対抗要件)。
1項の通知又は承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができない(民法467条2項)。

「第三債務者」とは、質権者から見た、「債務者Aの債務者」なので「B」です。

■そして、質権の対抗要件は、「第三債務者Bにその質権の設定を通知し」、又は「第三債務者Bがこれ(質権設定)を承諾すること」です。

■さらに、「第三者に対抗」するためには、民法467条2項の通り「確定日付のある証書」による必要があります。

なので、Cがこの質権設定を、B以外の第三者に対して対抗するための要件は下記2つのいずれかです。

1.確定日付のある証書によって、Bにその質権の設定を通知すること
2.確定日付のある証書によって、Bがこれを承諾すること

これをそのままつなげると、45字を超えてしまうので、下記のようにまとめます。

確定日付のある証書によって、Bにその質権の設定を通知し、又はBがこれを承諾すること(41字)

【配点】

確定日付のある証書(6点)
Bにその質権の設定を通知し(6点)・・・「その質権の設定」は「質権設定」「質権」とした場合は、-1点。
Bがこれを承諾すること(6点)・・・「これ」は「質権設定」でもよい。「質権」とした場合は、-1点。

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