【問】
A県収用委員会は、起業者であるB市の申請に基づき、同市の市道の用地として、1,000万円の損失補償によってX所有の土地を収用する旨の収用裁決(権利取得裁決)をなした。Xが損失補償額に不服がある場合、Xは、誰を被告として、何を求めるどのような訴訟を提起すべきか。40字程度で記述しなさい。
【問】
A県収用委員会は、起業者であるB市の申請に基づき、同市の市道の用地として、1,000万円の損失補償によってX所有の土地を収用する旨の収用裁決(権利取得裁決)をなした。Xが損失補償額に不服がある場合、Xは、誰を被告として、何を求めるどのような訴訟を提起すべきか。40字程度で記述しなさい。
Xは、B市を被告として、損失補償の増額を求める形式的当事者訴訟を提起すべき。(38字)
【問題文の状況】
A県収用委員会は、X所有の土地を収用する裁決を行った。
損失補償の額は1,000万円であった。
Xは、損失補償の額に不服がある。
【質問内容】
Xは、①誰を被告として、②何を求める③どのような訴訟を提起すべきか。
【使うルール】
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- 収用委員会の裁決のうち損失の補償に関する訴えは、裁決書の正本の送達を受けた日から6か月以内に提起しなければならない(土地収用法133条2項:形式的当事者訴訟)。
- 2項の規定による訴えは、これを提起した者が起業者であるときは土地所有者又は関係人を、土地所有者又は関係人であるときは起業者を、それぞれ被告としなければならない(3項)。
上記3項の規定から、土地所有者Xは、起業者B市を被告とします。・・・①
このような訴訟を「形式的当事者訴訟」と言います。・・・③
■B市の市長は、「行政庁」です。
訴訟の原告・被告になる者は、「行政主体」なので、「B市」が原告や被告になります!(本問の場合は、被告)
なので、B市の市長はダメです。
②Xは何を求めるのか?
Xとしては、補償してもらえる額が多い方がよいので、損失補償の「増額」を求めます。
逆に、起業者から損失補償の額に不服がある場合、補償額が小さい方が負担が少なくなるので「減額」を求めます。
上記をまとめると下記の通りです。
Xは、B市を被告として、損失補償の増額を求める形式的当事者訴訟を提起すべき。(38字)
【配点】
B市を被告(8点)
損失補償の増額を求める(4点)
形式的当事者訴訟(8点)