【問1】民法
Aは自己所有の甲機械(甲)をBに賃貸し、その後、本件賃貸借契約の期間中にCがBから甲の修理を請け負い、Cによる修理が終了した。
CがBに対して甲を返還しようとしたところ、Bから修理代金の提供がなかったため、Cは甲を保管することとした。Cが甲を留置している間は留置権の行使が認められるため、修理代金債権に関する消滅時効は進行しない。
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【解答】
×
留置権の行使は、債権の消滅時効の進行を妨げません(民法300条)。
つまり、Cが甲を留置していたとしても、それだけでは、消滅時効の進行を止めることができません。
よって、本肢は妥当ではありません。
言い換えれば、留置しているだけでずっと放っておくと、修理代金債権は消滅時効にかかって債権が消滅してしまいます。
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【問2】行政法
安全配慮義務は私法上の義務であるので、国と国家公務員との間の公務員法上の関係においては、安全配慮義務に基づく責任は認められない。
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【解答】
×
判例によると、
「安全配慮義務は、ある法律関係に基づいて特別な社会的接触の関係に入った当事者間において、当該法律関係の付随義務として当事者の一方又は双方が相手方に対して信義則上負う義務として一般的に認められるべきものであつて、
国と公務員との間においても別異に解すべき論拠はなく、公務員が前記の義務を安んじて誠実に履行するためには、
国が、公務員に対し安全配慮義務を負う」
としています。
よって、「公務員法上の関係においては、安全配慮義務に基づく責任は認められない。」は誤りです。
【問3】会社法
発起人、設立時取締役または設立時監査役は、株式会社の設立についてその任務を怠ったときは、当該株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負い、この責任は、総株主の同意がなければ、免除することができない。
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【解答】
○
発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、株式会社の設立についてその
任務を怠ったとき(任務懈怠)は、当該株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負います(会社法53条)。
ただし、総株主の同意があれば、上記義務は免除できます(会社法55条)。
よって、総株主の同意がなければ、免除することができないので正しいです。