【問1】民法
甲建物(以下「甲」という。)を所有するAが不在の間に台風が襲来し、甲の窓ガラスが破損したため、隣りに住むBがこれを取り換えた。
BがAから甲の管理を頼まれていた場合であっても、A・B間において特約がない限り、Bは、Aに対して報酬を請求することができない。
>>折りたたむ
【解答】
〇
委任契約において、受任者は、特約がなければ、委任者に対して報酬を請求することができません(民法648)。
そして、委任の規定は、法律行為でない事務の委託について準用します(民法656条:準委任)。
本肢の「BがAから甲の管理を頼まれていた場合」とは「法律行為でない事務の委託(準委任)」に当たります。
よって、A・B間において特約がない限り、Bは、Aに対して報酬を請求することができないので、正しいです。
「法律行為」や「法律行為ではない行為」の具体例や詳細解説については個別指導で行います!
【問2】行政事件訴訟法
都市計画法に基づく開発許可の取消しを求める利益は、開発行為に関する工事の完了によっても失われない。
>>折りたたむ
【解答】
×
判例によると、
「開発行為に関する工事が完了し、検査済証の交付もされた後においては、開発許可が有する前記のようなその本来の効果は既に消滅しており、他にその取消しを求める法律上の利益を基礎付ける理由も存しないことになるから、開発許可の取消しを求める訴えは、その利益を欠くに至るものといわざるを得ない。」
と判示しています。
つまり、開発許可の取消しを求める利益は、開発行為に関する工事の完了によっても失われるので、本肢は妥当ではありません。
【問3】会社法
合名会社および合資会社がその財産をもってその債務を完済することができない場合、社員は、それぞれの責任の範囲で連帯して会社の債務を弁済する責任を負う。
>>折りたたむ
【解答】
〇
持分会社の社員(無限責任社員)は、当該持分会社の財産をもってその債務を完済することができない場合には、連帯して、持分会社の債務を弁済する責任を負います(会社法580条1項1号)。
ただし、有限責任社員については、その出資の価額を限度として、持分会社の債務を弁済する責任を負うだけです(会社法580条2項)。
よって、本問は正しいです。
この問題は「合資会社」も含まれているので「誤り」のように見えますが、正しい問題となります。
その理由については個別指導で解説します。
