【問1】憲法
現になされている生活保護の減額措置を行う場合には、生存権の自由権的側面の侵害が問題となるから、減額措置の妥当性や手続の適正さについて、裁判所は通常の自由権の制約と同様の厳格な審査を行うべきである。
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【解答】
×
「最判平24.2.28:生活保護変更決定取消請求事件 」の判例によると、下記のように判示しています。
「保護基準中の老齢加算に係る部分を改定するに際し、
最低限度の生活を維持する上で老齢であることに起因する特別な需要が存在するといえるか否か
及び高齢者に係る改定後の生活扶助基準の内容が健康で文化的な生活水準を維持することができるものであるか否か
を判断するに当たっては、
厚生労働大臣に専門技術的かつ政策的な見地からの裁量権が認められるものというべきである」
厚生労働大臣に一定の裁量権が認められているということは、裁判所は、厳格な審査をするのではなく、
緩やかな基準で審査をすべきということです。つまり、「裁判所は通常の自由権の制約と同様の厳格な審査を行うべき」という本肢は妥当ではないです。
【問2】行政手続法
行政庁は、申請を拒否する処分をする場合には、公聴会を開催するよう努めるべきものとされているのに対し、不利益処分をする場合には、公聴会を開催しなければならないものとされている。
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【解答】
×
行政庁は、申請に対する処分であって、申請者以外の者の利害を考慮すべきことが当該法令において許認可等の要件とされているものを行う場合には、必要に応じ、公聴会の開催その他の適当な方法により当該申請者以外の者の意見を聴く機会を設けるよう努めなければなりません(行政手続法10条)。
これは、「申請に対する処分」についてのルールで
「不利益処分」をする場合に「公聴会を開催しなければならない」という規定はないので、この点が誤りです。
【問3】会社法
公開会社(指名委員会等設置会社を除く。)は、その発行する全部の株式の内容として、株主総会において議決権を行使することができる事項について制限がある旨の定款の定めがある株式を発行することができる。
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【解答】
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本肢の「議決権を行使することができる事項について制限がある旨の定款の定めがある株式」とは、「議決権の制限に関する株式」です。
すべての株式について、上記株式にすることはできません。
よって、本肢は「その発行する全部の株式の内容として」というのが誤りです。
2つ以上の種類の株式の1つとして「
議決権の制限に関する種類株式」とすることは可能です(会社法108条3号:種類株式)。