本日は
「民法が苦手です。どうしたらいいでしょうか?」
というご質問をいただきましたので
民法の対策法を共有させていただきます!
【問1】憲法
憲法が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」を営む権利のうち、「最低限度の生活」はある程度明確に確定できるが、「健康で文化的な生活」は抽象度の高い概念であり、その具体化に当たっては立法府・行政府の広い裁量が認められる。
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【解答】
×
「最大判昭57.7.7:堀木訴訟」の判例によると、下記のように判示しています。
『「健康で文化的な最低限度の生活」なるものは、きわめて抽象的・相対的な概念であって、その具体的内容は、その時々における文化の発達の程度、経済的・社会的条件、一般的な国民生活の状況等との相関関係において判断決定されるべきものであるとともに、右規定を現実の立法として具体化するに当たっては、国の財政事情を無視することができない。』
したがって、本肢の、『「最低限度の生活」はある程度明確に確定できる』について、妥当ではありません。その他の部分は妥当です。
【問2】行政手続法
行政庁は、申請を拒否する処分をする場合には、申請者から求めがあったときに限り当該処分の理由を示すべきものとされているのに対し、不利益処分をする場合には、処分を行う際に名宛人に対して必ず当該処分の理由を示すべきものとされている。
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【解答】
×
行政庁は、申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合は、申請者に対し、同時に、当該処分の理由を示さなければならない(行政手続法8条1項本文)。
したがって、申請者の求めがなくても、拒否処分をする場合、理由を示す必要があるので誤りです。
一方
行政庁は、不利益処分をする場合には、その名あて人に対し、同時に、当該不利益処分の理由を示さなければならない(行政手続法14条1項本文)。
ただし、当該理由を示さないで処分をすべき差し迫った必要がある場合は、この限りでない(行政手続法14条1項ただし書)。
したがって、例外的に理由を示す必要がない場合もあるので「必ず」という記述は誤りです。
【問3】会社法
発起設立または募集設立のいずれの場合においても、発起人は、払込みの取扱いをした銀行等に対して、払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書の交付を請求することができ、この証明書を交付した銀行等は、当該証明書の記載が事実と異なること、または当該金銭の返還に関して制限があることをもって、成立後の株式会社に対抗することはできない。
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【解答】
×
募集設立の場合には、発起人は、出資金の払込みの取扱いをした銀行等に対し、払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書の交付を請求することができます(会社法64条)。
これは、募集設立のみのルールで、発起設立では適用されません。
したがって「発起設立または募集設立のいずれの場合においても」が誤りです。
「募集設立の場合において」であれば正しいです。