民法45【記述対策】

【問】
AはBに対して、建物を賃貸したが、BがAに無断で、Cに転貸をしていた。Aが賃貸借契約を解除することができない場合は、どのような場合か。40字程度で記述しなさい。

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【問】
AはBに対して、建物を賃貸したが、BがAに無断で、Cに転貸をしていた。Aが賃貸借契約を解除することができない場合は、どのような場合か。40字程度で記述しなさい。

【解答例】

Aに対する背信的行為と認めるに足らない特段の事情がある場合、解除することはできない。(42字)

【問題文の状況と質問内容】

賃貸人A、賃借人B
賃借人Bが、Cに無断転貸

賃貸人Aが契約解除できない場合とはどのような場合か?

【使うルール】

    • 賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない(民法612条1項:賃借権の譲渡及び転貸の制限)。
    • 賃借人が1項の規定に違反して第三者に賃借物の使用又は収益をさせたときは、賃貸人は、契約の解除をすることができる(民法612条2項)。
    • 賃貸人に対する背信的行為と認めるに足らない特段の事情がある場合においては、上記解除権は発生しない(最判昭28.9.25)

賃貸借契約が賃借人その人に対する信用に基づいて締結されるものであることから、賃借人は、賃貸人の承諾を得なければその権利を譲渡し、又は賃借物を転貸することはできません(1項)。

これに違反して第三者に賃借物の使用又は収益をさせたときには、賃貸人は、賃貸借契約を解除することができるとしていますが(2項)、違反したからといって、どんな場合でも契約解除ができるわけではなく、判例では、「賃貸人に対する背信的行為(裏切り行為)と認めるに足らない特段の事情がある場合においては、解除することができない」と言っています。

本問は、無断転貸があったにもかかわらず、Aが賃貸借契約を解除することができない場合は、どのような場合かを質問しています。そのため、上記判例の内容を記述すればよいです。

Aに対する背信的行為と認めるに足らない特段の事情がある場合、解除することはできない。(42字)

【配点】

Aに対する(3点)
背信的行為と認めるに足らない(10点)・・・「背信行為」でもよい。「認められない」でもよい
特段の事情がある(7点)・・・「特別の事情」でもよい。

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