【問】
Aは、留置権に基づいて留置していたB所有の建物について、有益費を支出したとき、AはBに対して、どのような場合に限って、誰の選択に従って、どれだけの金額を償還させることができるか。
【問】
Aは、留置権に基づいて留置していたB所有の建物について、有益費を支出したとき、AはBに対して、どのような場合に限って、誰の選択に従って、どれだけの金額を償還させることができるか。
(AはBに対して、)
価格の増加が現存する場合に限って、Bの選択に従い、Aの支出した金額又は増価額(38字)
(を償還させることができる。)
【質問内容】
AはBに対して、「①どのような場合に限って」、「②誰の選択に従って」、「③どれだけの金額」を償還させることができるか?なので、この3つを考えます。
【使うルール】
留置権者は、留置物について有益費を支出したときは、これによる価格の増加が現存する場合に限り、所有者の選択に従い、その支出した金額又は増価額を償還させることができる(民法299条2項本文)。
↓
本問は「有益費」に関する問題なので、上記2項のルールを使って、①~③に当てはめていきます。
AはBに対して、「①価格の増加が現存する場合に限って」、「②Bの選択に従い」、「③Aの支出した金額又は増価額」を償還させることができる
となります。文字数を数えても38字なので大丈夫です。
↓
(AはBに対して、)
価格の増加が現存する場合に限って、Bの選択に従い、Aの支出した金額又は増価額(38字)
(を償還させることができる。)
【配点】
価格の増加が現存する場合に限って(6点)
Bの選択に従い(6点)
Aの支出した金額又は増価額(8点)・・・片方の場合は-3点、「又は」が抜けている場合は-1点
【具体例】
建物賃借人Aが、賃貸人Bの承諾を得て、トイレを「ぼっとん便所」から「水洗便所」に変更する30万円かけて修理をしたとします。
これによって、価格が20万円増加したとすれば、Bの選択に従い、Aの支出した金額(30万円)又は増価額(20万円)をもらえます。