民法57【記述対策】

【問】
養親となる者は、家庭裁判所に対して、実方の血族との親族関係が終了する縁組(いわゆる「特別養子縁組」)の請求(「請求」という)をした。この場合、どのような者が養子となることができないか。年齢要件について、40字程度で記述しなさい。ただし、一定の年齢に達するまでに請求がされなかったことについてやむを得ない事由はなかったものとする。

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【問】
養親となる者は、家庭裁判所に対して、実方の血族との親族関係が終了する縁組(いわゆる「特別養子縁組」)の請求(「請求」という)をした。この場合、どのような者が養子となることができないか。年齢要件について、40字程度で記述しなさい。ただし、一定の年齢に達するまでに請求がされなかったことについてやむを得ない事由はなかったものとする。

【解答例】

特別養子縁組の請求の時に15歳に達している者又は特別養子縁組が成立するまでに18歳に達した者は、養子となることができない。(61字)

【問題文の状況】

  • 養子となる者の同意はない。
  • 養子となる者の同意はなく、一定の年齢に達するまでに請求がされなかったことについてやむを得ない事由はなかった。

【質問内容】

特別養子縁組における「養子となる者」の要件について質問されています。

「どのような者」が養子となることができないか?なので
~な者。」または「~な者が養子となることができない。」とまとめればよいでしょう。

【使うルール】

    • 特別養子縁組の請求の時に15歳に達している者は、養子となることができない特別養子縁組が成立するまでに18歳に達した者についても、同様とする(民法817条の5第1項:特別養子縁組の養子となる者の年齢)。
    • 1項前段の規定は、養子となる者が15歳に達する前から引き続き養親となる者に監護されている場合において、15歳に達するまでに特別養子縁組の請求がされなかったことについてやむを得ない事由があるときは、適用しない(2項)。
    • 養子となる者が15歳に達している場合においては、特別養子縁組の成立には、その者の同意がなければならない(3項)。

1項に、特別養子縁組の養子となる者の年齢の原則が規定されています。

「特別養子縁組の請求の時に15歳に達している者」又は「特別養子縁組が成立するまでに18歳に達した者」は、養子となることができません。

2項では、1項前段の例外として、「特別養子縁組の請求の時に15歳に達している者」であっても、15歳に達するまでに特別養子縁組の請求がされなかったことについてやむを得ない事由があるときは、15歳に達していても、養子になれる旨が規定されています。この点については、問題文で「やむを得ない事由はなかった。」と記述されているので、2項は考えなくてもよいです。

3項では、2項において、やむを得ない事由があり、審判の時点で養子が15歳に達している場合には、その意思を尊重するため、養子となる者の同意が必要ということです。そのため、この規定も2項と関連してきているので本問では考えなくてもよいです。

したがって、本問は1項とまとめればよいです。

特別養子縁組の請求の時に15歳に達している者又は特別養子縁組が成立するまでに18歳に達した者は、養子となることができない。(61字)

これは文字数が多いです。

「どのような者」が養子となることができないか?と質問されているので「~な者。」とまとめます。

つまり、「~は、養子となることができない。」を省略して

特別養子縁組の請求の時に15歳に達している者又は特別養子縁組が成立するまでに18歳に達した者。(47字)

そして、「特別養子縁組の請求」は「請求」でよいと書いてあるので、

請求の時に15歳に達している者又は特別養子縁組が成立するまでに18歳に達した者。(40字)

【配点】

請求の時に(3点)
15歳に達している者(6点)
又は(2点)
特別養子縁組が成立するまでに(3点)
18歳に達した者(6点)

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