【問】
Aは、行政処分を受けて、当該処分の取消訴訟を提起した。さらに、Aから執行停止の申立てがあった場合において、内閣総理大臣が、裁判所に対し、理由を附して、異議を述べたとき、裁判所に対して効力について、40字程度で記述しなさい。
【問】
Aは、行政処分を受けて、当該処分の取消訴訟を提起した。さらに、Aから執行停止の申立てがあった場合において、内閣総理大臣が、裁判所に対し、理由を附して、異議を述べたとき、裁判所に対して効力について、40字程度で記述しなさい。
執行停止をすることができず、また、すでに執行停止の決定をしているときは、これを取り消す。(44字)
【問題文の状況】
執行停止の申立てがあり、内閣総理大臣が異議を述べた場合の内容です。
この場合の裁判所に対してどのような効力が生ずるかが質問されています。
【使うルール】
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- 執行停止の申立てがあつた場合には、内閣総理大臣は、裁判所に対し、異議を述べることができる。執行停止の決定があつた後においても、同様とする(行政事件訴訟法27条1項:内閣総理大臣の異議)。
- 1項の異議には、理由を附さなければならない(27条2項)。
- 第1項の異議があったときは、裁判所は、執行停止をすることができず、また、すでに執行停止の決定をしているときは、これを取り消さなければならない(27条4項)。
本問は上記4項の内容です。
「裁判所は、執行停止をすることができず、また、すでに執行停止の決定をしているときは、これを取り消さなければならない。(57字)」という効力が生じます。
これでは文字数が多いので、「裁判所は、」を省略していきます。
執行停止をすることができず、また、すでに執行停止の決定をしているときは、これを取り消さなければならない。(52字)
↓「取り消さなければならない」を「取り消す」に変更する
執行停止をすることができず、また、すでに執行停止の決定をしているときは、これを取り消す。(44字)
【配点】
執行停止をすることができない(10点)
すでに執行停止の決定をしている(5点)
これを取り消す(5点)・・・「これ」とは「執行停止」を指します。
【まとめ】
執行停止の申立てがあったとき、内閣総理大臣は、やむを得ない場合には、執行停止しない理由を付けて、裁判所に対して
「執行停止をするな!」と異議を述べることができます。
この異議は、執行停止の決定があった後でも述べることができます。
そして、内閣総理大臣が異議を述べた場合、裁判所は、その異議に従う義務があります。つまり、
執行停止の決定「前」に内閣総理大臣が異議を述べた場合、執行停止をすることができず
執行停止の決定「後」に内閣総理大臣が異議を述べた場合 、執行停止の決定を取り消さなければなりません。