民法58【記述対策】

【問】
女Aと男Bは、婚姻していた。男Bは、成年者Cと養子縁組をしようと思っている。この場合、女Aの同意なく、養子縁組を行える場合を40字程度で記述しなさい。

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【問】
女Aと男Bは、婚姻していた。男Bは、成年者Cと養子縁組をしようと思っている。この場合、女Aの同意なく、養子縁組を行える場合を40字程度で記述しなさい。

【解答例】

女Aとともに縁組をする場合又は女Aが縁組の意思を表示することができない場合。(38字)

【質問内容】

配偶者(女A)の同意なく、男Bが、成年者Cと養子縁組を行える場合は、どのような場合か?なので

「~の場合」とまとめればよいです。

【使うルール】

    • 配偶者のある者が縁組をするには、その配偶者の同意を得なければならない。ただし、配偶者とともに縁組をする場合又は配偶者がその意思を表示することができない場合は、この限りでない(民法796条:配偶者のある者の縁組)。
    • 配偶者のある者が未成年者を養子とするには、配偶者とともにしなければならない。ただし、配偶者の嫡出である子を養子とする場合又は配偶者がその意思を表示することができない場合は、この限りでない(民法795条:配偶者のある者が未成年者を養子とする縁組)。

796条本文では、配偶者のある者(男B)が、養子縁組をする場合、原則として、配偶者(女A)の同意が必要と規定しています。

ただし例外として、「配偶者(女A)とともに縁組をする場合」又は「配偶者(女A)が縁組の意思を表示することができない場合」は、配偶者(女A)の同意なく、養子縁組を行えると規定しています。

本問は、質問内容から、上記例外に関する問題と判断できます。

【配偶者(女A)が縁組の意思を表示することができない場合とは?】

例えば、配偶者(女A)が精神上の障害により事理弁識能力を欠く常況にある場合です。

■「成年者C」と書いてある理由

これは795条では、男Bが、未成年者を養子とする場合、もし、この未成年者が、配偶者(女A)の嫡出子であるとき、例外として、配偶者(女A)は不要となります。
そのため、これが答えにならないように、「成年者C」と書いてあります。

■よって、配偶者(女A)の同意なく、男Bが、成年者Cと養子縁組を行える場合は、どのような場合か?

796条ただし書き(例外)を40字程度でまとめると下記のようになります。

女Aとともに縁組をする場合又は女Aが縁組の意思を表示することができない場合。(38字)

【配点】

女Aとともに縁組をする場合(9点)
又は(2点)
女Aが縁組の意思を表示することができない場合(9点)

【参考】

「配偶者(女A)とともに縁組をする場合」について、なぜ、「妻が同意せずに妻とともに成年人を縁組することができるのか?

原則、

男Bのみ、養親になる場合、女Aの同意が必要ということです。

一方で

男Bと女Aがともに養親となる場合、「女Aの同意」という手続きは不要です。
なぜなら、女Aも養親となるからです。

これは手続きとしての「女Aの同意が不要」というだけで
女Aは養親となるのだから、気持ちとしては同意しています。

■「女Aとともに縁組をする場合」とは、男Bが成年者Cを養子にするだけでなく、女Aも成年者Cを養子にする、という意味です。

■「女Aの同意」については、男Bが成年者Cを養子にするが、女Aは成年者Cを養子にしない。でも、「男Bが成年者Cを養子にする」ことについては同意をする、という意味です。

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