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行政不服審査法15条:審理手続の承継

行政不服審査法15条の「審理手続の承継」については、行政書士試験ではあまり出題されない部分です。ただ、内容的には難しくないので、ポイントだけ押さえておけば、万一出題されても解けるでしょう!

審査請求人が死亡したとき

審査請求人が死亡したときは、相続人等は、審査請求人の地位を承継します。

そして、地位を承継した者は、書面でその旨を審査庁に届出が必要です。

届出前に、死亡した者宛にした通知が、相続人に到達したときは、当該通知は、相続人(審査請求人の地位を引き継いだ者)に対する通知としての効力を有します。

また、審査請求人の地位を承継した相続人が2人以上あるときは、その1人に対して通知等をすれば、全員に対して通知されたものとみなします。

審査請求人について合併又は分割があったとき

審査請求人が法人の場合、法人(会社)は合併したり、分割したりします。

そして、合併した場合、合併後存続する法人が審査請求人の地位を承継し、分割した場合、分割により当該権利を承継した法人が、審査請求人の地位を承継します。

そして、地位を承継した者は、書面でその旨を審査庁に届出が必要です。

届出前に、元審査請求人宛にした通知が、新審査請求人(合併後存続する法人または分割により当該権利を承継した法人)に到達したときは、当該通知は、新審査請求人に対する通知としての効力を有します。

審査請求の目的である処分に関する権利が移転した場合

審査請求の目的である処分に係る権利を譲り受けた者は、審査庁の許可を得て、審査請求人の地位を承継することができます。

例えば、甲土地の所有者Aが開発許可の申請をしたが、不許可処分を受けており、その後、Aが開発の不許可処分についての審査請求がなされた。その後、Aが甲土地をBに売却され、開発行為を行う者がAからBに変更となった場合、「審査請求の目的である開発許可に関する権利」をBがAから譲り受けます。

その場合、審査庁の許可を得て、Bが審査請求人の地位を承継します。

(審理手続の承継)
行政不服審査法第15条 審査請求人が死亡したときは、相続人その他法令により審査請求の目的である処分に係る権利を承継した者は、審査請求人の地位を承継する。
2 審査請求人について合併又は分割(審査請求の目的である処分に係る権利を承継させるものに限る。)があったときは、合併後存続する法人その他の社団若しくは財団若しくは合併により設立された法人その他の社団若しくは財団又は分割により当該権利を承継した法人は、審査請求人の地位を承継する。
3 前二項の場合には、審査請求人の地位を承継した相続人その他の者又は法人その他の社団若しくは財団は、書面でその旨を審査庁に届け出なければならない。この場合には、届出書には、死亡若しくは分割による権利の承継又は合併の事実を証する書面を添付しなければならない。
4 第一項又は第二項の場合において、前項の規定による届出がされるまでの間において、死亡者又は合併前の法人その他の社団若しくは財団若しくは分割をした法人に宛ててされた通知が審査請求人の地位を承継した相続人その他の者又は合併後の法人その他の社団若しくは財団若しくは分割により審査請求人の地位を承継した法人に到達したときは、当該通知は、これらの者に対する通知としての効力を有する。
5 第一項の場合において、審査請求人の地位を承継した相続人その他の者が二人以上あるときは、その一人に対する通知その他の行為は、全員に対してされたものとみなす。
6 審査請求の目的である処分に係る権利を譲り受けた者は、審査庁の許可を得て、審査請求人の地位を承継することができる。

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