行政不服審査法35条:検証

審査請求人又は参考人から、検証の申立てがあった場合は、または職権で、必要な場所で、検証をすることができます。

検証とは?

検証とは、ある場所の状況を確認し判断の材料を得る必要があるときに、当該「場所」に赴き、確認を行うものです。

そして、審理員は、審査請求人又は参加人の申立てにより前項の検証をしようとするときは、あらかじめ、その日時及び場所を当該申立てをした者に通知し、これに立ち会う機会を与えなければなりません。

 

(検証)
行政不服審査法第35条 審理員は、審査請求人若しくは参加人の申立てにより又は職権で、必要な場所につき、検証をすることができる。
2 審理員は、審査請求人又は参加人の申立てにより前項の検証をしようとするときは、あらかじめ、その日時及び場所を当該申立てをした者に通知し、これに立ち会う機会を与えなければならない。

行政不服審査法34条:参考人の陳述及び鑑定の要求

参考人の陳述

審査請求人若しくは参加人の申立てがある場合、または、職権で、審理員は、事実を知っている者を参考人として陳述を求めることができます。

鑑定の要求

また、審査請求人若しくは参加人の申立てがある場合、または、職権で、提出された書類等を鑑定人に鑑定を求めることができます。

(参考人の陳述及び鑑定の要求)
行政不服審査法第34条 審理員は、審査請求人若しくは参加人の申立てにより又は職権で、適当と認める者に、参考人としてその知っている事実の陳述を求め、又は鑑定を求めることができる。

 

行政不服審査法33条:物件の提出要求

審査請求人若しくは参加人の申立てがあった場合、または職権で、審理員は、書類等の所持人に対し、相当の期間を定めて、その物件(書類等)の提出を求めることができます。

そして、審理員は、その提出された物件を留め置くことができます。

【注意】申立てによっても書類等を提出することができます!

(物件の提出要求)
行政不服審査法第33条 審理員は、審査請求人若しくは参加人の申立てにより又は職権で、書類その他の物件の所持人に対し、相当の期間を定めて、その物件の提出を求めることができる。この場合において、審理員は、その提出された物件を留め置くことができる。

行政不服審査法32条:証拠書類等の提出

審査請求人又は参加人は、証拠書類又は証拠物を提出することができます。

一方、処分庁は、「処分の理由となる事実を証する書類」等を提出することができます。

つまり、審査請求人・参加人も処分庁もそれぞれの言い分を主張するための書類を提出できるということです。

そして、審理員が期間を定めた場合、その期間内に提出しないといけなません。

証拠書類とは?

証拠書類等とは、自らの主張を根拠付ける事実が存在することを明らかにするものを証拠といい、契約書帳簿等といった、その証拠が記載されている文書などを証拠書類等といいます。 審査請求人や、原処分庁に所属する担当者等が、担当審判官等からの質問に対して話した内容(答述)も証拠となります。

(証拠書類等の提出)
行政不服審査法第32条 審査請求人又は参加人は、証拠書類又は証拠物を提出することができる。
2 処分庁等は、当該処分の理由となる事実を証する書類その他の物件を提出することができる。
3 前二項の場合において、審理員が、証拠書類若しくは証拠物又は書類その他の物件を提出すべき相当の期間を定めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。

行政不服審査法31条:口頭意見陳述

行政不服審査法の審査請求を行うと、審査請求人や参加人は「口頭で意見を述べさせてください!」申立てをすれば、原則、審理員は、意見を述べる機会を与えなければなりません。(義務

ただし、例外として、申立人の所在その他の事情により当該意見を述べる機会を与えることが困難であると認められる場合は、意見を述べる機会を与える必要はありません

例えば、感染症により、病院から出ることができない場合、口頭意見陳述の機会を与えなる必要はありません。

原則 審理員は、口頭意見陳述の機会を与えなければならない
例外 審理員は、口頭意見陳述の機会を与えることが困難な場合、機会を与えなくてもよい

意見陳述の場所と期日

上記の通り、口頭意見陳述をしたい旨の申立てがあった場合、審理員は、口頭意見陳述を行う場所日時(期日)を定めて、処分庁や審査請求人や参加人等の審理関係人全員を招集しなければなりません。

補佐人と出頭

補佐人とは、審査請求人に付き添って意見陳述の期日に出頭し、その陳述を補佐する者をいいます。自分の意見をうまくまとめられない場合等に弁護士等を補佐人として一緒に、意見陳述の場所に行って、補佐人に助けを求めることができます。

この補佐人と出頭する場合、審理員の許可を得る必要があります。

口頭意見陳述の制限

申立人のする陳述が事件に関係のない事項にわたる場合その他相当でない場合、審理員は意見陳述を制限することができます。

つまり、審理員は、申立人が関係ないことを話す場合は意見陳述をやめてもらうことができます。

処分庁への質問

審理員の許可を得れば、申立人は、口頭意見陳述に際し、審査請求に係る事件に関し、処分庁に対して、質問できます。

(口頭意見陳述)
行政不服審査法第31条 審査請求人又は参加人の申立てがあった場合には、審理員は、当該申立てをした者(以下この条及び第41条第2項第2号において「申立人」という。)に口頭で審査請求に係る事件に関する意見を述べる機会を与えなければならない。ただし、当該申立人の所在その他の事情により当該意見を述べる機会を与えることが困難であると認められる場合には、この限りでない。
2 前項本文の規定による意見の陳述(以下「口頭意見陳述」という。)は、審理員が期日及び場所を指定し、全ての審理関係人を招集してさせるものとする。
3 口頭意見陳述において、申立人は、審理員の許可を得て、補佐人とともに出頭することができる。
4 口頭意見陳述において、審理員は、申立人のする陳述が事件に関係のない事項にわたる場合その他相当でない場合には、これを制限することができる。
5 口頭意見陳述に際し、申立人は、審理員の許可を得て、審査請求に係る事件に関し、処分庁等に対して、質問を発することができる。

行政不服審査法30条:反論書等の提出

行政不服審査法30条は、下記5の処分庁の弁明に対して、6の審査請求人が反論書を提出するときのルールです。審査請求の流れは、行政書士試験でも頻繁に出題される部分です。しっかり流れを頭に入れましょう!

審査請求から裁決までの流れ

処分が行われ、その処分に不服があると、下記流れで審査請求が行われます。

  1. 審査請求人は審査請求書を審査庁に提出します。
  2. 審査庁は審査請求書に不備がないかを審査します。
  3. 不備がなければ審査庁は、審査請求の手続きを担当する審理員を指名します。
  4. 審理員は処分庁に審査請求書を送付します。
  5. 処分庁は審理員に弁明書を提出します。
  6. 審査請求人は反論書を提出します。


反論書の提出と意見書の提出

審理員は、弁明書を審査請求人と参加人に送付し、審査請求人は、処分庁の弁明書に記載された内容に対する反論書を提出することができます。また、参加人意見書を提出することができます。

そして、審理員が、反論書や意見書を提出すべき相当の期間を定めたときは、審査請求人や参加人はその期間内にこれを提出しなければなりません。

反論書および意見書を処分庁に送付

審理員は、審査請求人から反論書の提出があったときはこれを参加人及び処分庁等に送付しなければなりません。

また、審理員は、参加人から意見書の提出があったときはこれを審査請求人及び処分庁に送付しなければなりません。

(反論書等の提出)
行政不服審査法第30条 審査請求人は、前条第五項の規定により送付された弁明書に記載された事項に対する反論を記載した書面(以下「反論書」という。)を提出することができる。この場合において、審理員が、反論書を提出すべき相当の期間を定めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。
2 参加人は、審査請求に係る事件に関する意見を記載した書面(第40条及び第42条第一項を除き、以下「意見書」という。)を提出することができる。この場合において、審理員が、意見書を提出すべき相当の期間を定めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。
3 審理員は、審査請求人から反論書の提出があったときはこれを参加人及び処分庁等に、参加人から意見書の提出があったときはこれを審査請求人及び処分庁等に、それぞれ送付しなければならない。

行政不服審査法29条:弁明書の提出

行政不服審査法29条は、下記5の処分庁が審理員に弁明書を提出するときのルールです。審査請求の流れは、行政書士試験でも頻繁に出題される部分です。しっかり流れを頭に入れましょう!

審査請求から裁決までの流れ

処分が行われ、その処分に不服があると、下記流れで審査請求が行われます。

  1. 審査請求人は審査請求書を審査庁に提出します。
  2. 審査庁は審査請求書に不備がないかを審査します。
  3. 不備がなければ審査庁は、審査請求の手続きを担当する審理員を指名します。
  4. 審理員は処分庁に審査請求書を送付します。
  5. 処分庁は審理員に弁明書を提出します。


処分庁に審査請求書を送付

3.審理員が指名されると、4.審理員は、直ちに審査請求書などを処分庁に送付します。

ただし、処分庁が審査庁となる場合、審査庁(処分庁)自身、審査請求人から審査請求書を受け取っているため、処分庁への送付は不要となっているわけです。

弁明書の提出

5.審理員は、相当期間を定めて、処分庁に対して「弁明書を提出してください!」と求めます。

そして、処分庁が審理員に対して弁明書を提出したら、審理員は審査請求人や参加人に対して弁明書を送付しなければなりません。

弁明書とは?

処分を下した処分庁が、処分の内容が正当であることを説明するための文書です。

弁明書の記載事項

「処分についての審査請求に対する弁明書」には「処分の内容及び理由」を弁明書に記載し

「不作為についての審査請求に対する弁明書」には「処分をしていない理由並びに予定される処分の時期、内容及び理由」を弁明書に記載します。

 

(弁明書の提出)
行政不服審査法第29条 審理員は、審査庁から指名されたときは、直ちに、審査請求書又は審査請求録取書の写しを処分庁等に送付しなければならない。ただし、処分庁等が審査庁である場合には、この限りでない。
2 審理員は、相当の期間を定めて、処分庁等に対し、弁明書の提出を求めるものとする。
3 処分庁等は、前項の弁明書に、次の各号の区分に応じ、当該各号に定める事項を記載しなければならない。
一 処分についての審査請求に対する弁明書 処分の内容及び理由
二 不作為についての審査請求に対する弁明書 処分をしていない理由並びに予定される処分の時期、内容及び理由
4 処分庁が次に掲げる書面を保有する場合には、前項第一号に掲げる弁明書にこれを添付するものとする。
一 行政手続法(平成五年法律第八十八号)第24条第一項の調書及び同条第三項の報告書
二 行政手続法第29条第一項に規定する弁明書
5 審理員は、処分庁等から弁明書の提出があったときは、これを審査請求人及び参加人に送付しなければならない。

行政不服審査法28条:審理手続の計画的進行

行政不服審査法第28条の「審理手続の計画的進行」について、条文をそのまま覚えるだけで大丈夫です。行政書士試験でもそのまま出題されます。

審査請求人参加人及び処分庁等並びに審理員は、簡易迅速かつ公正な審理の実現のため、審理において、相互に協力するとともに、審理手続の計画的な進行を図らなければならない。

この計画的進行は義務であることも併せて覚えておきましょう!

(審理手続の計画的進行)
行政不服審査法第28条 審査請求人、参加人及び処分庁等(以下「審理関係人」という。)並びに審理員は、簡易迅速かつ公正な審理の実現のため、審理において、相互に協力するとともに、審理手続の計画的な進行を図らなければならない。

行政不服審査法27条:審査請求の取下げ

審査請求人は、審査請求の裁決があるまでは、いつでも審査請求を取り下げることができます。

そして、審査請求の取り下げについては、書面で行う必要があります。口頭では行えません

関連ポイントとして覚えていただきたいのが、行政不服審査法12条の代理人や総代の審査請求の取り下げです。この点は、行政書士試験でも出題されます。

審査請求における総代と代理人の違い

審査請求の総代 審査請求の取り下げはできない
審査請求の代理人 特別の委任があれば取り下げできる

(審査請求の取下げ)
行政不服審査法第27条 審査請求人は、裁決があるまでは、いつでも審査請求を取り下げることができる。
2 審査請求の取下げは、書面でしなければならない。

行政不服審査法26条:執行停止の取消し

行政不服審査法25条にある執行停止が行われた後に、この「執行停止が公共の福祉に重大な影響を及ぼすことが明らかとなったとき」「事情が変更したとき」審査庁は執行停止を取り消すことができます。執行停止を取り消すことで、引き続き処分庁は、処分の執行を行えるようになります。

公共の福祉に重大な影響を及ぼすことが明らかとなったとき

例えば、違法建築物の所有者が、市長から除去命令を受けた。当該命令に不満を持ち、執行停止の申立てを行いました。

しかし、違法建築物が今にも倒壊しそうで、近隣住宅の被害や前面道路の通行人に被害が及ぶことが明らかな場合、執行停止の取消しを行うことができ、除去命令に従わない場合、代執行を行うことも可能です。

事情変更とは

例えば、あなたが、自分の住む市の施設の使用許可を申請して、不許可処分を受けた。その処分に不満を持ち、執行停止の申立てを行いました。

その施設は、その市に住む住民しか使うことができない条例がありました。

その後、あなたが別の市に引っ越すことによって、使用許可申請自体できないこととなるので、執行停止の取消が行うことができます。

(執行停止の取消し)
行政不服審査法第26条 執行停止をした後において、執行停止が公共の福祉に重大な影響を及ぼすことが明らかとなったとき、その他事情が変更したときは、審査庁は、その執行停止を取り消すことができる。